映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年07月09日

『潜水服は蝶の夢を見る』ジュリアン・シュナーベル

潜水服は蝶の夢を見る1.jpg潜水服は蝶の夢を見る.jpg
LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON

これは文句なしに面白かった、というのは昨日の映画感想に引っ掛けての言葉だが。感動もの、という意味でなく不思議な体感をさせてくれる作品だということで。何か面白いSFを読んでいる時のような感じだった
面白いこと考えたなあ、と思いつつ観終わったら「実話」だった。これも昨日と逆のパターン。まあ「実話」というキャプションがつくのが嫌いな性質なので最後に言われたほうが確かに納得がいく。最初から「実話だから心して観ろよ」と言われるよりは。

例により前知識なしで観てたのだが、後で監督が『夜になるまえに』と同じと知ってやはり共通するものがあるのだなあと思ったのだった。
突然、瞬き以外の体の自由を失ってしまうという本作と刑務所の中での生活を余儀なくされる『夜』どちらも本を書くという強い欲求を持った男であり、セクシュアルな描写が色濃く映される。
どちらも体と性の自由を強く求めていく物語であり、不治の病魔に侵されていくのだ。

どちらも淡々とした進行の作品で愛というより性的な表現が先に出ているのでその辺で好みが別れそうである。やはりただ一人の女性への愛、というほうが受けがいいからね。
瞬きしか残されていない40男だが元妻だけでなく二人の美人療法士、本を作るため瞬きを読み取って著述してくれる女性、そして恋人と様々な女性への妄想が映し出される。
同じように動けないからだの年取った父親や可愛い3人の子供の話も挿入されるがそれほど極端に盛り上がりや感動を押し付けるわけでもない。
最近映画以外でも「人はちょっとした幸せを感じた時に死を迎える」という話と幾つか出合ってしまい、そういうものなのかもしれない、とも感じている。
つまり「死んでしまいたい」と我が身を嘆いた時でなく「これからうまく行きそうだ」と希望を持った時に死が訪れるのである。
それは悲劇的な演出であるとも言えるだろうが、これの場合は事実なのだからなとも考えてしまう。
だが悩み苦しんだまま死ぬのと幸せというものを感じて死ぬのではどちらがいいのだろうか。

牡蠣を食べるシーンが滅茶苦茶美味そうでかつエロティックだった。
 
監督:ジュリアン・シュナーベル  出演:マチュー・アマルリック/エマニュエル・セニエ/マリ=ジョゼ・クローズ/マックス・フォン・シドー/イザック・ド・バンコレ /エマ・ド・コーヌ
2007年フランス/アメリカ



ラベル:自由
posted by フェイユイ at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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