映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年07月28日

『人のセックスを笑うな』井口奈己

人セク.jpg

長く待っている間にどんなものかと考えもしたのだが、観てみてこれはなるほどタイトルどおりの作品だったんだと唸ってしまった。
なにしろタイトルに「セックス」という文字が入っているがそんなシーンはなくて甘い恋物語だと聞いていたのだがとんでもないまったくタイトルどおり二人の男女のセックスそのものの話だったんだ。
それにしてもなかなかこれはやってくれるわい、という感じなのだがやってくれるわい、というのは描かれているのはセックスそのものなのにそういうシーンは入れずにあくまで可愛らしい少年と美しい人妻の純愛のように見せてしまう見せ方(騙し方)ということなんだけど。
別にこれは普通に言う恋愛物語ではなくセックスしている二人の物語なのだ。二人は(多分)一度も愛だのという言葉は言うこともなくみるめはユリに会いたいと言うだけだしユリはみるめを触りたいと言っただけなんだもん。
みるめにとってそりゃあユリは素晴らしい相手で外見も可愛らしければいつでも濡れて自分を迎えてくれるおまOこそのものなんだから。同じ年のえんちゃんだとそうはいかず手順を踏んでデートなりをしてということになってしまうがユリはもう部屋に呼んで服脱がせてGO!という感じでしょう。10代の男の子にとってユリはまさにめしべがとろーり滴っているユリの花そのものじゃないか。明るくて何の衒いもかけひきもない。自分が男でみるめだってえんちゃんよりユリに惹かれてしまうよな。もうやりたいやりたいやりたい、だもん。窓の外にも立ちますよ。みるめが男友達に囁いたのも「恋人ができた」っていうことじゃなくて「あの女とやったぜ」ってことでしょ。(しかもさりげなくここひそひそ話にして観客の女性に台詞を聞かせない!うまいぞ)
二人の逢引が決して恋じゃなくセックスしてるだけじゃん、って言われてもしょうがないけどだからこそこのタイトル『人のセックスを笑うな』になるわけで。僕達の恋は恋じゃなくセックスそのもの。いつもいつもセックスしたいんだ、でも笑うな!って。
みるめが可愛くてしょうがないのはそうやってユリの気持ちを惹きたいため。ユリが積極的で大らかなのはそうしないとみるめというまだ若い男の子を引き寄せられないから。
何もまだ自分達を紹介しあったり、説明しなくてもただセックスで結ばれて気持ちよくなってしまったのだ。それをみんな笑わないで。
でも困ったことに世間はそうそうそういう二人を簡単に見過ごしてはくれないのね。
ユリはなんらかの制裁を加えられたらしい。ちょっと参ってインドで考えてる。多分みるめとの付合いが学校にばれていられなくなったんだろう。ユリはリンゴをむきながら指を傷つけてしまう。だんなさんがそれを見て「大した傷じゃないよ。人生は長いんだから」っていうのはユリの浮気を言い表してるわけで。まあこれも多分だんなさんはユリの浮気を感づいていたんだけど見知らぬふりをした。それくらいユリは気持ちのいい女なんだろうね。手放したくないような。
なにも聞かされてないみるめは抑えきれない性欲を持て余しながら(辛いだろうなあ)えんちゃんが来るのも面倒で(どうせやらせてくれない)えんちゃんから「ユリちゃんに会ったよ」という一言で膨れあがりそうな股間を抑えつつ(もー男性向け漫画なら物凄い描写になってますよ)カブを走らせる。きっと物凄い勢いで走ったろうけどすべてえんちゃんの嘘だと知った後はエンストしたり(笑)モーこの辺みるめのおちんOんそのものだよね。しょうがねーなー。
というわけでユリという気持ちのいいおまOこを求めて待ち続けるみるめのおちんOんという映画をにやにやしながら観続けたのだった。側にいる青年とえんちゃんを観ろよ。キスひとつでも嫌だどーだって、めんどくさいねって言ってるの。ユリとみるめだと気持ちのいいセックスそれだけなんだもんね。
それにしても台詞なんかでもちょっとズキリとするの。みるめがユリに「ユリはいつもどこか汚れてるね」って言う。みるめは何気なく言ってんだけど、やっぱりこの台詞にユリは穢れているよ、っていう批判が入ってる。ユリはリトグラフの作業は上手いのに他の仕事は(灯油入れとかリンゴ剥きとか)下手なのも彼女がどこか不器用なのを表している。
お話は随分いきあたりばったりであり得ない話みたいなのにどこか妙に現実的でシビアなんだ。
ユリが帰国してまたみるめとのセックスもあるだろうけど、うん、だんだん難しくなっていくのだよね。それでも会いたいしやりたいし。笑ったりはしない(つもりだ)けど涙はあるかもしんないよね、いつか。
昔ジム・キャロルの『マンハッタン少年日記』というのを読んだ。10代のジムも40歳くらいの女性とセックス関係だった「男の性欲のピークは10代で女は40代。だから僕達二人は最高の組み合わせ」(ややニュアンスは違ったかもしんないが)っていうのがあって当時まだ若かった私は「そうかー私はまだまだだから40歳になったら15歳の少年と恋愛しなきゃな」と考えてまだそんな事態は起こしてない。(15歳ってまるきり子供だよ)
つまりジム少年の説でいけばみるめとユリも最高の組み合わせ、なわけだ。

昔(またか)「少女マンガには恋愛はなくてエロスだけ」と聞いて「そうなのか?」と思ったがこうして女性の映画を観るとそうなのかもしれん、と思ってしまう。

ユリとみるめは恋人どうしなんかじゃなくてセックスしてるだけなんだけど笑ってくれるなってさ。
みるめがユリに「どんな映画が好き?」と聞いて「テロ」のことを「エロ」と聞こえてしまうのもそのまんまなのである。大体「テロ」の映画ってなんだ。どう考えたってユリの策略じゃないか。

松山ケンイチが特別に可愛らしい顔を見せながらとにかくずーっと前を膨らませ続けている(ように思える)映画で、松ケンの後ろにヤリタイーッ!!って書き文字がでっかく書かれているようで、おかしくてしょうがない(あ、笑っちゃいけないんだっけ)授業中先生が懸命に説明してんのに上向いてアレのことばかり思い出してるし。
今あるのかしんないけど昔男漫画で前がぷくーってふくれあがってる絵があったけどあんな感じ。ちょうど風船ぷくーって膨らませたのはそういう意味か。
なんだかもうおまOこだとかおちんOんだとかいつも書かないような単語を書かないとどうしようもない感想でしてこんなスケベな映画もないよ!とやっぱり笑ってしまいました。「笑うな」とタイトルにするだけのことはあると思いましたね。

監督:井口奈己 出演:永作博美 松山ケンイチ 蒼井優 忍成修吾 あがた森魚 温水洋一 市川実和子
2007年日本


posted by フェイユイ at 01:19| Comment(6) | TrackBack(0) | 松山ケンイチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お暑うございます。
これ観てないのですが(笑)。他の人のも読んだりしましたが、フェイユイさんの評ユニーク?です〜^^なんか割と作品紹介とかでも口当たりよく「可愛いレンアイ」なんて表現されてるみたいですし実際そのように感じた方も。しかしフェイユイさんだと「エロ」(笑)。。セックスから発した恋なんですか。書いてないですがフェイユイさんは二人の間に“愛”は感じられたのでしょうか?それともそういうのは全く感じなかったとか?・・自分で観ろって話ですよねスイマセン。^^;
どちらにしても、好きな役者の可愛いさに耽溺は出来た様子ですね。そうだ、フェイユイさんはケンイチ君と同化☆しているからこその(少年目線の)感想だと思いましたです。
気が向いたら観てみるかも、です。
Posted by フラン at 2008年07月28日 16:35
うわーフランさん、来てくださって嬉しいです〜(^O^)
私も観る前に他の方の評を少しだけ見てたら「ほのぼのした感じ」の恋愛だと言われ正直言うと「それじゃつまんないかなもなー」とも思って一応松ケン目的鑑賞って感じだったわけですが観てみてびっくり。これはもろエロ!と私は感じました(笑)フランさんが観ることがあったら是非感想教えて欲しいです。

二人の間に“愛”があるかといえば、セックス=愛ならあるのだろうし、「体だけが目的なのね」って言う言葉が愛ではないならないのだと思います。そういう意味での愛です。

フランさんのコメントを読むといつももっと書きたくなってしまうのですが(笑)日を置いてもう一度観てからまた感想書いてみようと思ってます。
それにしてもフランさん、まさにそのとおりです。そのことも書こうと思ってて長くなるからつい省いてしまったんですがまったく松ケン目線で観てました。だもんで松ケンより永作さんが可愛くてどきどきしてしまうし恥ずかしくなって困ってしまったのですよー。
だもんで表現もちょっと男っぽくなってしまったようです。
その辺のことも書かなきゃいけないなあ。
Posted by フェイユイ at 2008年07月28日 22:16
お久しぶりです。
フェイユイさんさすがです。このレビューは、私が読んだこの映画のレビューの中でNO.1ですね。ああ、こんな風に解釈すれば『笑うな』ってことなんだなと納得しました。年の離れた夫を持つ綺麗な中年女が若い男を翻弄する話なんてフィクションの世界では別に意外な話ではないし、私の中で原作のユリのキャラを変えたことで面白さが半減したと同時に『笑う』ところがなくなってしまったんですよね。
更にこの映画、肝心なシーンに役者にアドリブを求めたっていう監督の演出のためかなんか生々しくってなんか居心地が悪かったんですよね。映画のリアルさと現実のリアルは違うと思うんだけど。まあ、何かの賞をとった前作『犬猫』も途中爆睡してしまったのでこの監督のセンスが単に合わないのだけかもしれないですが。
Posted by 梅 at 2008年07月30日 20:26
お久し振りです!梅さん。
ほんと原作に共感すればするほど映画でも共感するのは難しくなりますよね。
私は原作未読なので映画自体を思った以上に楽しめました。
でも楽しめたからと言ってこの映画が大好きかというとこれは違うというので(笑)あ、感想文のなかでは「この映画が好き」か嫌いかはまったく書いてませんでしたね確か。
この映画の騙し方(と勝手に決め付けてしまいますが)には物凄く感心してしまうのですが、私はもっと情緒があるほうが好きです。
ただ松山ケンイチのメロメロ具合が(エロエロ具合というとオヤジになってしまう^^;)あまりに幼くて笑ってしまいました。ごめーん。
Posted by フェイユイ at 2008年07月31日 00:19
昨深夜wowowで放送してましたので鑑賞。
多分こちらでフェイユイさんの評を読んでいたせいなのか?もう全くフェイユイさんと同じ感じ方だったような^^。
しかしちょいと長い〜。そして固定キャメラで事象をじっとみつめる演出てのも多分もう古いのじゃあ・・古くても良いのでしょうけど。で、一切カットバック等の映像技術がない。あまりにナイのもどうも・・。そんなことを考えつつ昨夜の私の状況としてすぐ隣室で娘が寝てる故音声は最小限(笑)、結果この映画は只でさえ聞き取りにくい音声なのでほとんど台詞が聞こえませんでした^^;でもひそひそ話すふたりの濃密感は充分伝わって来ましたよ。
ケンイチ君は私には余り素朴な印象ではなくむしろ現代の男の子そのもの。彼らはこの年頃アタマんなか常に“ソレ”だけなんだろうなあと。その辺りがこの作品のすべてでした。・・ユリみたいな人確信犯ですよね〜彼女はずるい。(妬いてますエエ^^;)実際には余りいないタイプと思う。あの都合よい旦那とかもあり得ない。マ、フィクションですか。
永作は童顔!細ッ!中年というよりロリータですね,化粧も無しだし。お子ちゃま二人のレンアイ、て感じでした。だからそこに深い愛はナイ。恋はあっても。永作にエロスは(私は)感じなくて、反対にケンイチ君の可愛さは見事でしたね。私はファンではないので冷静なものですが、あ〜んなリアルなキスシーンなんてファンの方は堪らないし“ヤメテー☆”と叫びたくなるだろうなと(笑)。正に“嬉し恥ずかし”ですね。
キスシーンはほんとリアルで良かった。特に「キスしながら話す」てのがやはり女性監督(ですよね)ならではのエロティックさ。そうそう^^と頷く。。遠い目(笑)
私は忍足修吾くん良かったです。何気にイイ演技。自分のタイプのせいで点が甘いというのもあるか?^^;

Posted by フラン at 2008年11月07日 10:20
ご覧になりましたか〜。なんだかうれしいな(笑)
この映画で一番気になったのは松ケンがこの映画の後「ぼくはみるめそのものだ」と言って永作さんにぞっこんになっていたことかもしれません。ファンでなければどうでもいいような話ですが(笑)1年くらいは永作さんを恋人のように錯覚しないでいられなかったみたいでのめり込みタイプの役者さんならではのことなのか、一体どういう映画だろうと思ってたらこれだった。
松ケン、物凄い欲求不満なのだろうかと心配したものです。

Posted by フェイユイ at 2008年11月08日 00:08
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