映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年08月19日

『忘れられぬ人々』篠崎誠

忘れられぬ人々.jpg

最近特に色んな映画を観てるわけだがそれでもこんなに「えっ」と驚いてしまった展開もないんじゃなかろうか。
大森南朋出演というだけで観始めたので殆ど予備知識はなかったのだが、それでも説明に「元戦友同士の」「感動作」だのという文字が見えたのでちょうど8月という季節も相まって感動の準備をしたのであった。
出だしはその通り、兵士たちの壮絶な戦場場面が映し出され、50年の時を経てかつての若き兵士たちが老人となった姿がよろよろと動く様子が描かれていく。そしてそこに戦場で死なせてしまった若い朝鮮人の孫娘が彼らの前に現れて祖父の最後を聞くのだった。
さてどんな風に涙を誘われるのかと思っていたらこの辺から雲行きがおかしくなっていく。
様々に苦労を重ねて生きてきた年老いた彼らに悪徳商法の会社員たちが近づいてくるのだ。
最初はこれはどういう展開なんだ???と理解できずにいたら品のいいおばあちゃんの花活けの師匠の家に隠しカメラを仕掛け戦争時の苦い体験を元にして霊感商法をやりだした。また重病に苦しむ妻を持つ年老いた旦那にも薬や仏像を数千万を吹っ掛けているのだ。
そしてその会社にあの孫娘の恋人が入社してしまう。
悲しい話というにはあまりに無残な話だと苛立ちながら観ていたら、最後に老兵士たちは立ち上がって威張り腐った悪徳商法の面々をぶったぎっちゃうのだ。

!!!!!!!!!

なんという!!彼らは可哀想なご老人たちじゃなかった。

愛する者を守るため、悪をぶった切る「男」たちだった。

助けて。とどこかに電話するわけでもなく、泣き寝入りするわけじゃない。
可愛がっていたアメリカ軍人の子供に大事なハーモニカを残して戦いに挑む戦士だったのだ。

腐った奴らには容赦しねえ。
殺人を犯したらいけない?もう彼らには怖れるものはないしね。
彼が一度極道に入ってた、という伏線もあるんだろうが。
そういや奴らも「本当の善は」どうだとかゴタクを並べていたっけ。
本当の善に殺されたんだ。文句はないだろうなあ。

あまりの破格の展開にぶっ飛んでしまった。
こんなに驚いたのもない。

「いやなことばかりの戦争だったがお前達に会えたのだけはよかった」
かっこいい。
なんてことばじゃかっこ悪いけど。
かっこよかった。
じいさんと思ってなめるなよ。

監督:篠崎誠 出演: 三橋達也 大木実 青木富夫 内海桂子 風見章子 真田麻垂美 遠藤雅 大森南朋 中村育二
2000年日本

あ、大森南朋さん。悪人だった(笑)
だから感動物語だと思ってたんでてっきり人のいい若者みたいな役かと。
こういう屈折した人の役もうまいです。本当にいそうで。
どういうとこにいてもすーっと馴染んでしまう。そんな人ですね。







ラベル:大森南朋 友情
posted by フェイユイ at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 大森南朋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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