映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年09月25日

『M』廣木隆一

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廣木隆一監督作品を幾つか観てきたが、どれもエロティック且つどこか幻想的なお話であった。
裕福な生活をしている夫婦がいる。淡々としたリアルな日常の中に危険な予感がある。謎めいた雰囲気の青年がその美しい人妻に出会い近づいていく。幸せなはずの人妻が危険な道へ入り込んでいく。出会うはずもない青年と人妻の人生が重なり青年は犯罪を犯す。登場人物が嘘の話ばかりを口にするので何が本当なのか嘘なのか判らなくなってくる。この物語は現なのかそれとも誰かの幻想なのか。
という物語で思い出してしまったのがキム・ギドクの『うつせみ(空き家、3-iron)』である。筋書きは何も似てはいないが、幸せな生活に倦んでしまった美しい人妻と危険な香りのする謎の美青年、退屈な夫、という構図が重なって思い出したのかもしれない。しかも『うつせみ』のジェヒと本作の高良健吾が不思議に似ているのである。
申し分なく幸せな家族のはずがそれぞれの心に何が隠されているのかはわからない。
これは幸せな生活に飽いた妻の危険な空想だったかもしれないし、美しい妻を持ちながらどこか安心しきってしまっために突然不安を感じた夫のエロティックな妄想だったかもしれないし、またそういう人妻に恋慕した青年の願望だったかもしれない。
またこれがすべて本当に起きたことであっても最後二人がそのまま何事もなくもとの生活に戻れたとも限らない。殺人事件はやっと報道されただけにすぎないのだ。
幸せにキャッチボールする父子とそれを見守る母親が嫌疑をかけられ逮捕されるのかもしれない。
そしてすべてが明るみに出た時夫と妻とその子供はどうなっていくのか。
ごく幸せそうなラストのすぐ側に転落の時が待ち受けているのかもしれない。

最近結婚で話題になった美元の美しくもエロティックな肢体に魅了される。
ナオさんはここでは何故か妻にはっきりと意思表示ができないあやふやな夫を演じているのだが、私としてはセクシャルな雰囲気も感じられてしまうのだった。
ところでこのDVDのパッケージ写真が凄く素敵で買ってしまったところがあるのだが、この写真だけ荒木経惟だったのだ。美元さんのセクシーさも尋常じゃないがナオさんが凄く素敵なのだ。

監督:廣木隆一 出演:美元 高良健吾 大森南朋 田口トモロヲ
2007年日本


posted by フェイユイ at 00:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 大森南朋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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