映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年09月27日

『盲獣VS一寸法師』石井輝男

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昨日観た増村保造『盲獣』が江戸川乱歩の原作から核となる盲目の男と1人の美しい女の交わりの部分だけを抽出したかのような濃厚さだったのに比べ、こちらは『盲獣』に同じく江戸川乱歩原作『一寸法師』を加えて作られており、『盲獣』の箇所も原作のようにたくさんの女が登場し且つ一寸法師が絡んでくるという混沌とした物語になっているがこれはこれで奇妙な面白さがあった。

美術・音楽に金がかかっていない作品に我慢ならない性質なら観ないほうがいいだろう。その他の役者陣は素人だし映像も背景も怖ろしくお粗末なのだから。
自分はそういうところは却って面白いと思ってしまうのだがそれでもかなり覚悟を決めた粗末さである。
例の盲獣の隠れ家は昨日のオブジェが迫力だっただけにみすぼらしくて悲しい。これでは芸術とは言いがたい。
『盲獣』ではその人が主体で彼の心の葛藤が伝わってきたがここでは明智と小林が主人公になっているので『盲獣』と『一寸法師』は単に気持ちの悪い存在になってしまった。その分本当に気味悪く怖ろしい。
明智小五郎に塚本晋也。他が他だけに抜群に上手く見える。その友人の小林紋三にリリー・フランキー。私は多分彼が演技しているのを初めて観たと思うがなかなか面白い味のある雰囲気であった。この二人が主役なのだからそれだけでも変てこな作品になりそうな予感はする。
なんとなくぼーっとしたリリーさんとびしっと決める塚本晋也さんのコンビはバランス取れてていい感じだった。でもすらりとした長身というイメージの明智さんと美少年小林くんとは違うがなあ。

グロテスクさはこちらの方がより激しいがエロチックさは裸は出てくるもののあまり感じられない。ユリエ夫人が美人で着物姿で登場しているのが一番エロチックだった気がする。
全体の印象としてはこの前観た『姑獲鳥の夏』の世界と似ている。

石井輝男という監督はこれまで知らないと思っていたが『網走番外地』の監督であった。まったく違ったジャンルのようだが確かにあれも奇妙に変てこな感覚があった。いきなり逃亡者の相棒が健さんを襲ったり。
本作は紛れもない変な作品だろうが意外とクセになりそうな不思議な味であった。
及川光博、丹波哲郎がちょっとだけ出てくる。

監督・脚本・撮影:石井輝男 出演:リリー・フランキー/塚本晋也/橋本麗香/藤田むつみ/丹波哲郎 /リトル・フランキー/平山久能/鳴門洋二/薩摩剣八郎/及川光博/しゅう/手塚眞/園子温/熊切和嘉/中野貴雄/アスベスト館
2003年日本


posted by フェイユイ at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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