映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年10月03日

『リトル・ダンサー』スティーヴン・ダルドリー

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Billy Elliot

予想を裏切らない、という言い方ではなく予想通りの作品でありました。
イギリスの炭鉱の町を舞台にした物語の流れとして定番中の定番という設定・進行。貧乏の度合いもストライキもスト破りも物悲しい寂れた町の様子も安心して観ていられる酷さであります。
時代もやや昔であるし、男は男らしくというのが常識の田舎町で何故かバレエに強く惹かれてしまう1人の少年の物語。彼自身の葛藤も母親不在の家族からの猛反対も観なくとも判るとういう範疇なのだがそれでもまあイギリス田舎町が舞台でバレエが題材といわれてしまえばどうしても気になって最後まで観てしまう。
確かにコテコテの炭鉱町物語なのだが何と言っても主人公ビリーを演じたジェイミー・ベルくんが可愛いのとお父さんの駄々走りは泣けてしまった。

とはいえどうしても素直に受け入れきれない部分もあって一つはビリーが披露する踊りがいつもタップダンスなことでこれはジェイミーくんが踊れるのがこれだったからなのかどうかわからないが「バレエを愛してしまった少年」という物語なのにタップダンスばかりというのはどういうものか。この時代のこの土地の感覚でバレエもタップダンスも一緒ということなのか。TVでジェイミーが憧れるダンサーもフレッド・アステアなのであってヌレエフではないわけで彼はむしろハリウッドに行くべきだったのでは?と疑問に思ってしまう。
ジェイミーくん自身はとてもダンスがうまいのでバレエ重視で表現することもできたのではないかと思うのに、こんな演出になったのは本当にバレエだけにしてしまうと観客層が狭くなってしまうという配慮なのではと思ってしまう。
最後のオーディションの時はバレエ暦の少ないビリーが真っ白になってしまってバレエができずついタップダンスをやってしまった、というのでもいいからそれまでの練習なんかはバレエをもっと見せて欲しかったのだが。
バレエでもダンスでも楽しく観れればいいじゃないか、と言われればしょうがないけども。
もう一つはビリーの才能を見込んでバレエを教えてくれる先生がレッスンの時やたら煙草を吸い続けていることで当時まだ煙草の害はきつく言われてなかったのか。室内でハードな運動をするバレリーナの前で煙草を吸い続けるのが不思議である。せめてビリーを合格させようと決心して禁煙するということにしてもよさそうな気がするが。

決してつまらなくはなかったしそこそこ楽しんで観てはいたのだがあまりにもスタンダードなイギリス炭鉱町ストーリーに「バレエダンサーになりたい」といいながらあんまり映画にバレエシーンが出てこないということで欲求不満が残る作品鑑賞だった。
親父の愛は泣けたけどね。

しかし「バレエをやる男はオカマだ」と言われて反発する少年という話の割には全体に漂うゲイな雰囲気。そして妙にそれを打ち消そうとする屈折した心理が作用している。
可愛いジェイミー君を執拗にカメラが映しているのはちょっとぞわぞわするし。ジェイミー君もナーバスになっているのはわかるけどちょっとゲイ嫌悪しすぎ。殴っちゃいかんだろう。
あとこれを言っちゃおしまいだけどこんな美少年じゃなくても少しブサ系の少年だった方がよかった気も(←それは自分の好みだろう)
とにかくジェイミー少年の美貌で見せられた作品なのであろうか。

監督:スティーヴン・ダルドリー 出演:ジェイミー・ベル ジュリー・ウォルターズ ゲイリー ルイス ジーン・ヘイウッド ジェイミー・ドラヴェン スチュアート・ウェルズ
2000年イギリス


ラベル:青春 ダンス
posted by フェイユイ at 22:59| Comment(4) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この映画7,8年前にアダムクーパー目当てで観ました。すごくベタな話にもかかわらず、なぜか泣いてしまったんですよね。あんまり感動しない人なのに...。心の琴線に触れた映画でした。
ところで今度WOWOWで大森南朋さん出演のドラマが始まりますよ。初回(11/16)は無料放送らしいです。
Posted by 梅 at 2008年10月06日 20:08
アダム・クーパー、最後に瞬間的に登場した方ですね。そこをもっと観たかった^^;
そうですかー、梅さんはこの映画に共鳴したのですねー。なるほどー、そういう感覚ってありますよね。私もなぜかがくっとはまる映画っていうのがあります。

WOWOWでナオさんが。そうですか。
うーむ、観たいけど観れるかどうか^^;
またDVDになるのを待つしかないかも、です。でもありがとうございます〜感謝m(__)m
Posted by フェイユイ at 2008年10月07日 00:42
ご無沙汰ですー。金木犀の香り漂う季節となりましたね!暫く日本開催テニス杯AIG杯に通っておりましてフェイユイさんの更新を横目で見つつ気が気じゃなかった・やっとコメント出来ます。
この映画はたしか3年位前に見て。友人がアダム・クーパー好きでして貸してくれました。作品として進行が“ベタ”ですよね。いちいちフェイユイさんの仰るとおり。ホント今ひとつ胸に“来ない”。せめてジェイミー・ベルがバレエをきちっと基本だけでよいからやって欲しかった。でも元々バレエのコじゃないんですよね・それじゃあムリがあるだろうに。彼は演技力でこの後進出してくるのですがこの作品での演技はたいして・・存在が煌いてはいましたが。
そこそこの出来なんですが、全ての要素が核心まで行っていない、そんな印象の映画でした。
Posted by フラン at 2008年10月07日 08:33
金木犀、香ってますねー。離れていても一緒なんですねー(笑)
 
アダム・クーパー、私は知らなかったんですが彼が出てきて「やっとバレエだ!」と思ったら一瞬で終わりました(泣)
ずっと「イギリス片田舎美少年バレエ」と私好みばかりなのに何故観ない、と思っていたのですが、なんとなく予感がしたのかもしれません(いや、その逆もよくあるんですけどね、早く観ればよかったーという)
凄く好きな世界なのにどれも満足できない映画でありました。
バレエはちゃんとやって欲しかったですよね!下手でもいいから!
Posted by フェイユイ at 2008年10月07日 17:54
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