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2008年10月07日

『趣味の問題』ベルナール・ラップ

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Une Affaire de Gout

フランス映画ってなんでこんなに変なのかな〜、と頭を抱えたくなってしまう。その顔は笑ってんだけど。

レストランのウェイターをやっていたニコラは貧乏ではあるがガールフレンドや気の合う仲間たちと気ままに暮らしていた青年だった。
だがある日大富豪の中年男性フレデリックがレストランで彼を引き抜いてからニコラの人生は変わっていく。

神経質で傲慢な男フレデリック。ニコラの容姿と知性に惹かれたという彼はニコラを自分の「味見役」として雇い入れる。
それはフレデリックが食べる前にニコラが味をみてその味を説明する。特にフレデリックが嫌いな魚とチーズにはきをつけること、という仕事だった。前とは比較にならない莫大な報酬。だが24時間体制でフレデリックに呼ばれればすぐに行かねばならない。
突然金持ちになった代わりに自由を失ったニコラに友人と恋人ベアトリスは失望する。

執拗にニコラを追い込んでいくフレデリック。最初は大金をせしめたら逃げ出すさ、とたかを括っていたニコラだが次第にフレデリックから逃れられなくなる。
ニコラがフレデリックから本気で逃げなかったのは金の為なのか、それとも何か逃れられないような魅力が彼にあったのか。
傲慢で我儘で人を操ることしか考えていないフレデリック、嘘ばかりついて何が真実なのか全く判らない男である。
同性愛なのではない、と言う。確かにフレデリックは性的な意味でニコラをものにしたかったのではないのだろう。
ニコラに女性の味見をさせ、その後でじっくり味わうのは自分だというフレデリック。ニコラの人格を無視しきった行動。同じ感覚を持つ為といって断食をさせ好物の魚介類に毒を入れて嫌いにさせる。同じ孤独を味わうのだと言って1人で砂漠に行かせ、帰ってくると別の「味見役」を雇って見せて嫉妬させる。
そして脚を骨折したフレデリックは「お前は同じ苦しみを味わっていない」とニコラを解雇する。茫然となったニコラは自らの脚を骨折した。
だが「味見役は先に体験するものだ」と彼に別れを告げるフレデリック。
その後、フレデリックの会社は倒産し、神経衰弱していたニコラはやっと恋人と友人の元へ戻る。
だがそこへまたフレデリックからの電話が。
ニコラが行くと彼はまた高圧的な態度で彼を迎えた。ニコラはついに刃を手にした。

フレデリックはすでに以前から裕福な生活に飽き死を望んでいた。彼はすべてを手に入れたが「趣味」というものがなかった。
最後に彼は自分の趣味である青年の手で自分の命を絶って欲しかったのだろう。ニコラはフレデリックにその人生のすべてを操られてしまったのだ。恋人ベアトリスの不安は的中してしまった。

すべてが謎に包まれたままどうなるのかと進んでいく物語。美味しい料理とワイン、贅沢な生活を味わいながら逃れられない罠にはまっていくニコラ。
とても美味しいサスペンスミステリー小説を読んでいるような楽しさがあった。
ニコラ役のジャン=ピエール・ロリ、フレデリック役のベルナール・ジロドーどちらもいい感じなので嬉しく鑑賞できた。
特にジャン=ピエール・ロリはどことなく松山ケンイチに似ていて「松ケンもこういう役やったらいいのに」などとわけのわからんことを思いつつ観ていた。
こういう変な味わいのミステリーは大好きなのだがこの長さといい、なかなか今はお目にかかれないのだ。
フレデリックが妙に日本趣味で鎧や刀を飾っているのはいいが「侍はこれで人を斬るのだ」という刀は一体どういう刀なのかな?まん丸な刀なのだ。詳しい人なら知ってるのだろうが、自分的には侍があんな刀を帯刀してるのは見たことない。料理用?おまけにそれで最後フレデリックを。
『ハンニバル・ライジング』の日本趣味も不思議世界だったがフランス人の思う日本って面白い。

こういう楽しい映画ってもっと観たいんだけどなー。

監督:ベルナール・ラップ  出演: ベルナール・ジロドー ジャン=ピエール・ロリ フロランス・トマサン シャルル・ベルリング ジャン・ピエール・レオ アルチュス・ドゥ・パンゲルン
2000年フランス


posted by フェイユイ at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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