
久し振りにナオさんを観たくて(といっても前回から1ヶ月は経ってないが)未観のものを観たのだがこれは忍耐忍耐の作品だった。
本編72分となっているが正味15分くらいでまとめられちゃうような作品で実際15分だったらばなかなかいいモノになったかもしれないがそれを72分に希釈されてしまっては飲めたものではない。
本気で自然光だけで撮ったと思われる映像も別にかまわないが脚本の薄さは泣きたいものがあった。
マジでこの作品のナオさんに肩入れしたいが死んでしまった恋人をうじうじと思い続け現在の彼女をないがしろにしてしまう主人公のエゴイズムを容認してしまうという考え方が理解できない。
この監督さんはホラーをよく作られているみたいだが(観てはいないが)本当に死んだはずの恋人の幽霊がいて恨みで取り殺されるという筋書きにしてもらったほうが数段好きになれる。今の彼女に乗り移るでも彼女を方を殺してしまうでも何でもいいけど。
元恋人の幽霊が現れて現彼女を殺そうとするのをナオさんが取り押さえるとそれは元恋人を思うあまり女装して彼女になりきった主人公だった、とかさ(まんま『サイコ』ですが)そういうのだったら面白いのに。
一体どうしたらこんな都合のいいストーリーが思いつくのかどうしてホラーにしてしまわないのか全くわからない。
役者さんたちも「こんなんでいいのかなー」と思いながら懸命に演じられたのだろう。気の毒である。
もしかしたら人気のある方なのかもしれないが思い出の彼女が何故かあまり可愛くないのはどういうことか。今の恋人もまたまったく女性と言う感じがしない。二人とも表面がどうのということではなく可愛らしさを感じないのである。
まあ、こんな映画にいちいち目くじらたてるのも無駄なのかもしれないからこの辺で止めとこう。
ナオさんはこの作品ではぐじぐじした主人公にはっきり文句を言う友人を演じていて正直彼が一番友達思いなのではと思ってしまうのだが。
何度もお見合いをしてはふられるというもてない男の役である。信じられない。前髪が平に下ろしてある時はもてない男の役ということみたい。
でも体がかっこいからちょっと無理があるような。
なんとなくね、レイ・ブラッドベリみたいだったらよかったのに、と思ったのだ。
『10月はたそがれの国』の「つぎの番」と「みずうみ」みたいなイメージでやってみたらいいのにな。
ああ、やっぱりナオさんをたっぷり観たい!!!
監督:鈴木浩介 出演:水橋研二 仲根かすみ 八木小織 大森南朋 山中聡 瑠川あつこ
2002年日本