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2008年10月29日

『ゴーン・ベイビー・ゴーン』ベン・アフレック

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Gone Baby Gone

以前ベン・アフレック初監督、弟ケイシー・アフレック主演映画!と紹介していたのにいつの間にかDVDになっていて気づかず、今頃になって鑑賞。日本では劇場公開もされなかったということでナンだか注目度低いなあ。アフレック兄弟では騒がれないのかねー。

で、観ました。
いやア、ベン・アフレック、堂々たる監督振りですね。ソツがない、というのか初とは思えない立派な仕事ではないでしょうか。
テーマもくっきり見えているし、物語の運びも判りやすく、退屈させず、配役も決まっている(自ら主演じゃなくケイシーでよかった^^;)
ただ、自分の好みとしてはあまりに教育的過ぎて学校の映画でも観てるような気になってしまうのだよね。最近アメリカ映画からちょっと離れていたせいもあるかもしれない。アメリカ映画というもの自体が非常に教育的なのだろうか?それともベンが非常に真面目な性格なのか。
問題を提示され「さあ、皆で真剣に考えてみましょう。あなた達の子供の未来がかかっているのですよ」と真摯に問われてしまって不良人間としては「映画観てんのにそんなに怒られても」って感じなのである。

それにしてもソツなく巧く綺麗にできた映画ではある。
最初ケイシーと恋人が組んでいる探偵事務所に依頼人が来た時は「こんな坊ちゃん顔の探偵によく頼むなあ。しかも渋々だし」と思っていたのだが、そのこともしっかり布石なのであった。これが最初から切れ者みたいな男では困るわけである。
もう一度観てみたらよくわかるかもよ、と言いたげな様々な伏線の張り方もまったくもって憎いばかり。頼りなげなケイシー探偵が彼女を相棒にえっちら走り回るのも共感しやすい作り方なのだった。

文句たらたらのような書き方だが「児童虐待についてよく考えてみたい」人にはなかなかいいテキストなのではないだろうか。
また「罪と罰」について。

ソツがなく巧い、と書いたが所々鼻につく箇所があって例えば屋上で傷ついたレミーを見ているパトリックという構図がかっこつけててやだとか、最後、彼女が泣きながらパトリックを説得する場面からその後の締めくくりが説明的過ぎてここまでくどくどと解説しないといけないのかなあ、などと思ってしまうのだ。
その辺が学校教科書映画って思ってしまうわけなんだが。

つまらなくはない。
でもなんだか、主人公だけは傷ついている風で傷ついてないようで、結局何も罪には問われないし(探偵料はもらえなかったけど)彼女が去ったけど「仕方ないか」みたいにしか見えないし(そりゃ心の中は判らんけど)
主人公だけは地獄を見ていないんだよね。一番の地獄は7歳の男の子とアマンダちゃんが見てるわけで、他の登場人物、彼女も警部もレミーも髭のおじさんもビーもそれぞれ地獄を見てる。パトリックだけは「俺は後で責められたくないんだ」ってんで逃げちゃった。
ま、それが後で地獄になるのさ、っていう話なのかもしれないんだけどさ。
その辺を考えてごらん、と言われているのも癪に障るし(なんなんだ)

それにしてもこの映画。真似的な感じはしないのだが、相変わらずこういう題材が作られるのだと思ってしまう。児童虐待、児童性愛者、誘拐、麻薬、強姦。
そしてまた「これでいいのか、これでいいのか」と問い続けて終わる。「腐敗した社会」と一言で片付けてしまうのも情けないのだが。

監督:ベン・アフレック 出演:ケイシー・アフレック ミシェル・モナハン エド・ハリス モーガン・フリーマン
2007年アメリカ

久し振りにアメリカ映画を観たような。カメラの動きも音楽も演出も実にアメリカンだ。判りやすく、テンポがいい。綺麗な映像でよく考えられている。

アマンダがロリコン男に誘拐され性的虐待を受けているのでは、という予感をさせるのだろうが、ナボコフだったか「ロリコン描写はまずいから、少年を性的虐待する話にしないとボツになる」という話があってこれもやっぱりそういうものなんだろうか。
少女は親から育児放棄という虐待を受け、少年は変質者に強姦される。
どちらにしても嫌な話には違いないんだけど。


ラベル:犯罪 探偵
posted by フェイユイ at 23:07| Comment(0) | TrackBack(1) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Weblog: クマの巣
Tracked: 2008-10-31 07:58
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