映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年12月03日

『ジェシー・ジェームズの暗殺』アンドリュー・ドミニク

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The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford

なかなかよく工夫された面白い映画だったけどちょいとくどくて冗漫に感じられた。たとえ作品時間が長くてもそうとは思わないものもあるがこれはなんだか無理に長くしてしまったような気もする。

原題も長くて『THE ASSASSINATION OF JESSE JAMES BY THE COWARD ROBERT FORD』
邦題は短くしてしまっているけど、この作品は確かにジェシー・ジェームズの物語というよりボブ・フォードの心情を描いたものなので『ロバート・フォード』というタイトルでもよかったんだろうけど、それ誰?ということになってしまうのでそれぞれこうなってしまったんだろう。

ジェシー・ジェームズという強盗兄弟の末弟に熱烈に憧れていたボブ・フォード。幼い時から彼の活躍する小説を読み、彼のことを調べて自分との共通点を見つけては喜んでいた。
兄がジェームズ団の一味になったことも手伝ってまだ19歳でありながらジェシーの一味に加わりたいと願う。
だが実際に近づくとまだ子供である彼は冷たくあしらわれ、憧れのジェシーをストーカー的に眺めまわしてしまったことで追い出されてしまう。
ジェシーへの強い憧れと畏敬は次第にボブの中で変化していく。
まだ20歳のボブをケイシー・アフレックが演じている。自分も末っ子でいつも馬鹿にされ負け犬だったということがよりジェシーへの憧れと敵対心を強くしている。
ジェシーに憎しみを持ち始めてからも彼の匂いをかぎ、彼の飲んだコップから水を飲む、などジェシーと一体化したい、ジェシーの崇拝者である気持ちも残っているのだ。
ケイシーがとてもいいので余計思ってしまうのだが、この作品では別の人がナレーションをやっているせいで余計もたもたしてしまうのでケイシー=ボブの一人称で語らせていったらよかったのではないだろうか。
ボブから見たジェシーというだけでよかったような気がするのだ。

どうしてもこの作品ではボブに皆の共感が集まってしまうのだろうがジェシーのブラッド・ピットはさすがにかっこいい。
同じようなシチュエーションが『ファイトクラブ』になると思うのだが男が憧れるかっこいい男、という役柄が結構さまになるのである。そしてちょっと精神に異常をきたしている男、というのも似合う人なのだ。
孤独で誰にも心を許してなかったジェシーが最後、娘が口ずさむ詩で弛んでしまったのだろうか。ボブを信じてみようと思ってしまったのだろうか。今まできつく張っていた緊張を緩めてしまう。
このジェシーが新聞を買ってきてからボブと兄のチャーリーの激しい緊張の一幕は見応えがある。
チャーリー役のサム・ロックウェルもまたとてもいい。

強盗の英雄、というのはどこの国にもいるのだろうか。
ヒース・レジャーが演じた『ケリー・ザ・ギャング』も同じようなヒーローで様々な国の大勢の人々から愛されたのだという。
悪党を成敗したことで賛辞されると思ったボブは英雄を殺した裏切り者にしかなれなかった。
民衆にとって政府に反逆する悪党というのは英雄なのだ。
ボブ自身にとっても憧れの人だったのだが。

編集がゆる過ぎると思いながらもジェシーとボブを細かく表現したかった熱意もまた感じられる作品である。

監督:アンドリュー・ドミニク 出演:ブラッド・ピット ケイシー・アフレック サム・シェパード サム・ロックウェル
2007年アメリカ


ラベル:犯罪
posted by フェイユイ at 01:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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