映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年12月07日

『ブラックブック』ポール・ヴァーホーベン

BLACK BOOK.jpg
Zwartboek/Black Book

この前も同じようなことを書いた気がするが、シリアスな戦争映画というといかにも真面目に反戦の意思を持つものでリアリティを追求しなければいけないような思いに駆られてしまうようなのだが、戦争という題材ほど面白い物語を生み出すものもないようでこの映画はそうした戦争が生み出した苦しみや悲しさをそのまま大変優れたエンターテイメントに作りだしてしまったようだ。

何者かの陰謀で家族を失ってしまった美しいヒロイン・エリス=ラヘルのまるで怖いものなどないかのような活躍に目を見張りながら観てしまう。
体を張った彼女の行動は時に目を覆いたくなるような痛々しさも感じてしまうのだが真直ぐに突き進んでいく彼女のパワーの源はやはり家族を奪った者への復讐ということなのだろう。

エリスを演じたカリス・ファン・ハウテンの気の強い美しさに見惚れながら一体どうなるのだろうかと手に汗握る展開にやや長い作品ながらあっという間に観終わった感じなのである。
誰が敵か味方か、誰がいい人で誰が悪人なのか。次々と驚かされる展開に必死で振り落とされないようついていったというところだろうか。
気丈なエリス=ラヘルが時に明るく時にくず折れそうなほど悲嘆にくれるのも強く惹かれることなのだろう。
だが悪人だと思ったナチス将校が実はいい人間でエリスと本当に愛し合うようになるのだが結局殺されてしまうのはさすがにユダヤ人の彼女とナチス将校が幸せに結婚しました、という落ちではまずいという配慮が彼を死なせた犯人なのではないのだろうか。
あの場面で唐突に殺害者を追わなければ死なずにすんだのかもしれないのに。

かくしてラヘルはユダヤ男性と結婚することで終結する。
ナチス将校の彼を愛しく思い出さないのもやはり許されないことだからだろうか。

監督:ポール・ヴァーホーベン 出演:カリス・ファン・ハウテン トム・ホフマン セバスチャン・コッホ デレク・デ・リント ハリナ・ライン ミヒル・ホイスマン
2006年 / オランダ/ドイツ/イギリス/ベルギー


posted by フェイユイ at 00:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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