映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年12月22日

『好奇心』ルイ・マル

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LE SOUFFLE AU COEUR

何も知らずに観てしまったのだが、最初から最後まで目が釘付けの驚きの連続であった。

先日観たガス・ヴァン・サント『パラノイド・パーク』でも少年の美しさを見せ付けられたが、この作品の14歳の少年の魅力もまた衝撃的なものだった。

ルイ・マル監督はこういう顔がやっぱり好きなんだろう。男らしい顔立ちなのだがまだほっそりした体つきなのだ。
冒頭で友人と募金活動をしているその姿がそれだけなのに溢れるような若々しさに満ちている。
まだ未発達で足の長いのが目立っている。ちょっと生意気そうな表情でくしゃくしゃの髪が可愛らしい。
主人公のローランは産婦人科医の三男坊で家は裕福で食事にはメイドが付きっ切りだし二人の兄もとてもハンサムで弟思い(やりすぎの時もあるが)父親はやや厳格でローランとソリが合わないがそれでも優しいとローラン自身も思っている。特別なのは母親でまだ酷く若くて綺麗でエロテッィクでさえある。母親はローランを特に可愛がっているし、ローランも誰よりもママが大好きというのを隠しもしない。

うーん、もう最初から少年の魅力はこういうものだよ、と見せ付けられるローランの愛らしさ。と言っても女の子のようなのではなくローランはほんとに男の子らしい可愛さなのだ。
友人と大人ぶった会話をするのもレコード店で万引きするのも友人にちょっと意地悪な言い方をしたり、子猫を可愛がるのもみんなこれでもかと素敵なのである。
おまけに美人のママにべったりでどこをとっても美少年というのはこういうのだよな、って思わせる。
ママもローランが可愛くてしょうがない。
二人の兄貴もローランを可愛がっていて女装して襲ったり、「初体験をさせてやろう」ってことで遊びに連れて行ってからかったりするのだ。

ローランはそういう時も嫌がったりしないで兄貴たちについていくのだが、学校では年下の男の子から手紙をもらったりして並んで歩いたりもする。
キャンプに行って男の子達ばかりでどうやら『魔王』の簡単なお芝居をしている。ローランが父親役で年下の少年を裸にしてローブで包んでいる。幼い少年に襲い掛かる魔王と怯えて父親にすがりつく少年、可愛いその男の子をローランが守るように抱きしめているのはなんともいえない少年愛の世界で美しい絵のようである。

しかしある日ローランは愛する母親に浮気相手の男がいるのを知る。
嫉妬を覚えるローラン。
だがローランはママを憎みきれはしない。
キャンプの途中でローランは病気になり、温泉地で療養することになる(これもまさに美少年らしいか弱さでありますね)
母親と二人きりでホテル暮らしをする間にローランはますます母親とのつながりが深まり、他の年上の少女たちとの関係も持つようになっていく。
ローランも可愛いがママが凄く可愛らしい女性なのだ。同じようなゆったりとしたカールの髪でそばかすがたくさんある明るい笑顔、ほっそりしているが肉感的なからだつき。確かにこんなエロティックなママがいたらたとえ息子とはいえ、恋してしまってもしょうがないかもしれない。綺麗なだけでなく優しくて明るくてローランが病気で寝てる時も側でギターを弾いて歌ってくれる。
仲良くしようと思った年上の少女がまだ頑なでローランの思うままにならなかったせいもある。
踊って酔っ払った夜にローランとママは肉体関係を持ってしまったようなのだ。
でもママは「後悔しないで。いつまでも美しい思い出としてしまっておいて」と言うのだ。
ローランは自分を受け入れてくれる方の少女の部屋へ行き、朝帰りをする。
そこには何も知らない父親と二人の兄が靴もはかずに戻ってきたローランを見て大笑いする。それを見たママも笑いローランも笑う。
ママとローランの秘密は二人だけのものなのだ。

少女マンガで見たようなローランとママの美しい恋愛。
ママが浮気相手の男と破局したらローランは「今にママにぴったりの男が見つかるよ」なんて言う。
自由でこんなんでいいのかな、ってこちらがおどおどするくらいローランのママって素敵なのだ。
常識から外れた危険なことばかりしているのだけど、何故かすごく幸せな気持ちになっていしまう、そんな映画だった。

これってよくある話だと最後ママとローランが抱きあって寝ているのを見つけられて「馬鹿だなー上手く誤魔化せばいいのに」などと歯噛みするのだが、子供だと思ってたローランが目を覚ましていてママの迷惑にならないよう自分が笑いものになって処置を取っているのが、彼が大人になったってことなのかな。かっこいいぞローラン。

監督:ルイ・マル 出演:ブルノワ・フェルレー レア・マッセリ ダニエル・ジェラン マルク・ビノクール ミシェル・ロンズデール
1971年フランス


posted by フェイユイ at 23:09| Comment(4) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これはまだみていないのです!^^;不思議と私の周辺に見当たらない気が?取寄せ等でみたあとに必ずコメしたいと・・早くフェイユイさんのレビュー読みたい〜!(笑)
Posted by フラン at 2008年12月23日 08:58
そうだったのですか!てっきりもう鑑賞済みと思ってて、フランさんの返事を楽しみにしてました(笑)
是非鑑賞後コメントくださいませ〜。
Posted by フェイユイ at 2008年12月23日 09:33
こんにちわ。年末、今日返さなくてはならない状況☆で、取寄せてレンタル、深夜こっそり(子供が冬休みで昼間に観れない;)観ました!^^;。〜いやアしかし^^;私は古い人間ですわ〜。近親相姦を到底“素敵”とは云いたくない気持ち。兄妹とか姉弟とかならまだわからなくもないような感じ〜なのですが、親は。。駄目でしょう。こんなことするのは親じゃないですよ。「貴方のコト、息子と思えないのよネン・・」なーんてトロンとした眼で云っちゃあ駄目じゃないか!親失格!!・・ワタシ的には反発もりもり(笑)。しかし、他の方のレビューなど徒然見ましてもフェイユイさんも,そんなに反発してない人も居たりして・・^^;私だけが堅いのかな?
作品群を省みれば、ルイ・マルは全ての作品で「タブー」というテーマを扱っているのかもしれませんね。
出てくる少年達、大人達、やりたい放題じゃないですか。これが作られたのが1971年ですが時代設定は1954年。ウ〜ン・・^^;やはり私は日本人なんだわ〜この全編に対する抵抗感は。そんなことを改めて確認することになった次第で。
『ルシアンの青春』でブルジョア家庭の息子でルシアンに帆船模型を壊されていた太った少年が教会や教室シーンで出ていたし,同映画でみた役者が他にも出演していました。主人公と一緒に冒頭募金活動していた髪くしゃくしゃのコが好み。^^;あと主人公の実の兄らしいトマ役のコ、もう眼が本当に“ワル”でした〜タイプです(笑)そしてこの母親・・ブスだなあと私は・・^^;こんな品のないタイプに男達は欲情するのですね?娼婦役の人の方が断然品があって素敵だった気がするのですが。。。とにかく云いたいことてんこ盛りでもう一回観たいのですがもうこれから返してこなくちゃなりません^^;パソにも今夕以降来年1/3頃まで近づけなくなります。・・フェイユイさん,今年も大変ありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎え下さいね〜〜!!^^/
Posted by フラン at 2008年12月29日 11:19
あはは、これも駄目だったのですね。
近親相姦ものが好きなわけではないのですが、何故かこれはいいと思ってしまったのです。ママも可愛いなーと思ったし(ん。私ってやっぱり男性的なのでしょうか)
トマくん素敵でしたね。
フランさんの感想、詳しく読みたいので新年になって時間ができたら、まだ気持ちが残っていたら、また書いてくださいな。

では私こそ今年ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
よいお年をお迎えください!!
Posted by フェイユイ at 2008年12月29日 22:00
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