映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年02月17日

『デトロイト・メタル・シティ』李闘士男

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随分長い間待ち望んだ『DMC』やっと観ることができた。
すでにマンガは何巻か読んだので大体のストーリーも判っているわけだが、とにかくキャスティングが楽しみな作品なのでマンガの世界が実像化されていくのを思う存分楽しんだのである。
こうして観ているとお「あー」と思ったのは、この登場人物で共感できるのは主人公の崇一ではなく彼をデスメタル界に引っ張り込んだ女社長のほうなのだということである。
なにしろ私の世代というのはジャック・イル・ダークを演じていたジーン・シモンズの「KISS」なのである。
ビートルズやローリング・ストーンズの世代に遅れている我が世代のカリスマは、特に男子は「KISS」だっただろう。彼らは長髪だっただけのヒッピーとも違い化粧をすることで異世界の人間になりうることを日本の田舎の少年たちにも教えてくれたのだ。当時、彼らの真似をして化粧を詩、それを見つけた母親がびっくりしてしまう、と言う現象が日本各地で起きていたに違いない。化粧をすることで悪魔になり世の中が変わってしまう、という夢をもつことに崇一は激しい反発を覚えているのだが、はっきり言って何故彼が悪魔の世界に陶酔しないのか、よく判らない。つまり彼は自分達より若い世代なのであって化粧することで逃避もしくは異世界に行く必要がないのだろう(と言ってもまたさらに今の若者はビジュアル系で化粧してますが)
自分が共感できるのは崇一より年上の女社長なのであって彼女が悪魔の象徴であるジャック・イル・ダークに憧れているのはよく判る。彼女が崇一の才能を見つけ「何故その才能を生かしてデスメタル界に君臨しようと思わないのか」と嘆くのにもうなづけるのだ。
この二人の感じ方は、原作者の方が「若い世代」であり、監督である李闘士男さんが自分と同じ世代ということで、その辺が微妙にうまく作品の中にブレンドされているようだ。
作品の中でもジャックとクラウザーが戦った末にジャックが若いクラウザーにギターを渡して世代交代をする、という感動的な場面として描かれる。
それにしてもジーン・シモンズの迫力と言うのは画面を通しても半端じゃないことが伝わってくる。まさに魔界の帝王にふさわしい。

松山ケンイチは今TVドラマの『銭ゲバ』がいまいち製作側がうまくないこともあって魅力が半減している気がするのだが、本作では持ち前の味が非常に効果的に出されている。
彼は長身なのだけどどこかスタイルがいい、と言う感じよりもこういったその長身をおかしさに活かせる体格のようだ(秘め言葉なのか?)
崇一の時のくねくね感も可愛くて好きだが、クラウザーになった時の顔を見ているとほんとにかっこいい顔立ちだなあ、なんて改めて思ったりする。
走る姿もかっこいいし、とにかく足が速いのではないだろうか。あの高いヒールの靴で駆け抜けていく場面はまるで『ロッキー』のようで感動ものだった。

崇一の奮闘振りがおかしくも悲しく、女社長の煙草のポイ捨てでじゅーっというのが爽快ですらある。
お母さんの愛情に涙も感じるし、ラストのジャックとの対決演奏の場面は見応えあるかっこよさだ。

ビションフリーゼのメルシーの愛らしさは勿論だが、牛にべえべえというのがなんとも可愛いのであった。

監督:李闘士男 出演:松山ケンイチ 細田よしひこ 秋山竜次 松雪泰子 加藤ローサ 大倉孝二
2008年日本


posted by フェイユイ at 01:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 松山ケンイチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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