映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年03月12日

『狂い咲きサンダーロード』石井聰亙

狂い咲き.jpg

ずっともう一度観てみたい、と思っていたのだが確かBOXでしかDVDになってなくてこの度単独のDVDになったのではないだろうか。やっと再会できた。

というような愛らしい作品ではなく、ぎらぎらとした暴走族映画である。石井聰亙監督が大学の卒業制作作品だから画面は思い切り荒れ果ててブチ切れているし音はとんでもなく劣悪だ。主役はこれが映画デビューの山田辰夫だし、知っているのは小林稔侍ただ一人(ってよく出演してくれたよね。なにせ右翼で同性愛者という設定。ベッドシーンあり(添い寝してるだけだが))だけなのだ。
だがそれだけに異常に過激な暴走族の抗争がより生々しく感じられる。おまけに撮影現場が福岡市なのでこの撮影の少し後にその町に住むことになった自分としてはより身近に感じられた。と言ってもこの映画に出てくるような場所にはあまり行ってはいないが。天神地下街だけはお馴染みだが。バイクのナンバーも福岡だしね。

物語ははっきり言ってなんだかよくわかんない。ていうか物語なんかどうでもいいのだ。
山田辰夫演じる暴走族・魔墓呂死(まぼろし)の特攻隊長ジンの滅茶苦茶な生き方が映されているだけなのだ。
ジンが何を考え何を求めていたのか、なんていうことはまったく判らない。ジンはただバイクで走り暴れる、ということだけが生き方なのである。
自分と同じ考えなら仲間だし、そうでなければ仲間じゃない。愛とか友情とかそういうものもない。
ただ走り暴れまわる、そういうジンと他の暴走族連合の対立、そして右翼であり魔墓呂死を作った男・剛がジンを引き込もうと近づいてくる。
ジンはそういったすべてを嫌いはねつける。
ある日バイクのブレーキに必要な右手足の先を切り落とされたジンは見境なく彼らに銃を向ける。
そして剛に蜂の巣にされたジンはブレーキをかけられない体でバイクにまたがり走り出すのだ。

今だったら『クローズZERO』をちょいと思い出すかもしれない。三池崇史監督もそうとう滅茶苦茶な人だが、さすがにこの『狂い咲きサンダーロード』には負けるかもしれない。というかそれは無論三池監督作品のほうが高度な技術があるからなのだが。
それに小栗旬をはじめイケメンだらけの『クローズ』と違い『狂い咲き』にはそういう甘さがない。結構二枚メな顔は見えるのだがそういうかっこよさ、というのを出している感じよりも顔に変てこなものを貼り付けた様な不思議な外見の奴が多い。
けんかシーンもとにかく滅茶苦茶である。低予算でとにかく情熱だけで作った、っていうような熱いものだけが伝わってくる。街中のバイクの暴走シーンなんかも無茶苦茶危ないとしか思えない。福岡の街中でゲリラ的に撮影したのだろうか。
そんでやっぱり山田辰夫が凄くかっこいい。別にどこもかっこよくないんだけどかっこいい。あのだみ声がずっと耳に残ってしまうのだ。
酷い悪態ばかりをつく声だ。
もう二度とブレーキをかけることなく走り続けるバイクで彼はどこへ行ったのだろう。

監督:石井聰亙 出演:山田辰夫 中島陽典 南条弘二 小林稔侍
1980年日本


ラベル:オートバイ
posted by フェイユイ at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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