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2009年05月10日

『オルランド』サリー・ポッター

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ORLANDO

女って大変だなあ、と自分も女ながら思ってしまう。男性であるオルランドが女性になった途端すべてが変わってしまう。外見も中味も変わっておらず変わったのは性別だけ、の彼女(彼)は男性である時は自由であり男性からも敬われていたのに女性という性になり女性としての外見=装いをした時から単なる観賞用の飾りとなってしまうのだ。男子を産まなければ財産も取り上げられてしまう。つまり女性というだけでは絶対にこの世に存在することができずいつも男性から養われる身でなければならない。
そういった女性としての条件を巧みに操りつつ生きていくのが女性なのであってだからこそ「女性は強い」などという言葉を揶揄を込め皮肉に笑いながら言われてしまうのだが、そうでなければ生きていけないのである。そういう男の見下した言い方を聞き流してさらに逞しく生き延びる女性もいるのだが(そういう女性が大半であるからこそ世の中成り立つのだが)どうしても反発を感じる女性もいるわけで、そういう女性たちが何らかの表現者になった時、どうしてもこのテーマを出したくなってしまう。「人間は何故男性と女性なのか」
女性作家でこういうテーマを元に小説なりマンガなり映画なりを作る人は多いが男性では少ないのではないだろうか(違うか?)
男性では男は男らしく女は女らしくあって欲しい人が殆どだと思うが女性がこのテーマに触れると「何故男の美徳と女のそれは違うというのか」「何故女性が子供を生むのか」「男と女が入れ替わることができたらどうなるのか」というような物語を作ってしまう。アーシュラ・ル・グインや萩尾望都の物語にもそういう問答が強く感じられる。

オルランドを演じたティルダ・スウィントンの確かに男女を超越したような美貌に見惚れてしまう。
ヴァージニア・ウルフの原作は知らないし今のところ読もうとは思わないがこの映画はとても魅力的な作品だった。ただ男性としてのティルダがあまりに麗しくてロシア少女とのラブシーンも女性同士と判りつつもというか判るからこそエロテッィクでもう少し長く観ていたかった。
しかし女性になったティルダもまた素敵なのだ。

こういう物語を映像化するために何とも豪勢で美々しい衣装と時代の描き方にはため息。貴族ってあまり居心地よくはなさそうだ。

監督:サリー・ポッター 出演:ティルダ・スウィントン ビリー・ゼイン シャルロット・ヴァランドレイ ヒースコート・ウィリアムス ロテール・ブリュトー ジョン・ウッド
1992年 / イギリス/ロシア/イタリア/フランス/オランダ


ラベル: 歴史
posted by フェイユイ at 22:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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