映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年05月14日

『プライドと偏見』ジョー・ライト

PRIDE & PREJUDICE.jpg
PRIDE & PREJUDICE

なんという情けなく空しい映画だろう。何もかもが嫌になってしまいそうだ。
多分こういう話が一番嫌いである。有名な作品なのでもっと深みのある硬質な物語だと誤解していた。
自分が女だから言ってしまうけどほんとに女が好きそうな話だ。広大な領地と屋敷と莫大な財産を持つハンサムな若い男が突然現れ、すぐにくっついては財産目当て(体目当て?)と観客に侮られそうだし、映画が終わってしまうから男がミステリアスで内気ということにしてすぐに心を開かないからヒロインは誤解して彼を嫌ってしまう。だが実は彼はいい人で彼女のために人肌脱いで見せヒロインも彼の真摯な心がわかって精神的な和解の後、結ばれる。
時代が時代なのでという言い訳もあるかもしれないが、そうは言っても今でも恋愛ものはいっぱいあってついた離れたという話が繰り返される。身分が低いとは言ってもそこそこの家には住んでいるのだし、キーラ・ナイトレイが演じて特上の美貌を持つヒロインが真直ぐな性格で運命を(というか婚活を)切り開いていく。
一体なぜコリンズ氏をあんなに軽蔑するんだろうか。この映画を観ている分には悪い所はないと思う。その上財産もあるのだから申し分ない。人に馬鹿にされて不器用だから夫にするのが恥ずかしいだけじゃないのか。リジーがコリンズ氏ををあんなに酷く言うことはない。結局彼が背が低くて顔がそれほど良くなくて(だからといって醜いというほどはない)あまり話が上手くないからなのだろう(と言ってもダーシー氏だって話は上手くない)リジーが「誤解してました」と言ってコリンズ氏と結ばれる展開なら(つまりコリンズ氏が後でいい人だと判って)私も少しは頷けるけど、ダーシーじゃ結局金目当てとしか思えないしね。妹と近親相姦なのの偽装結婚だとか、何か裏があるといいのに。むかむか。

しかし私がこんなことで怒って書き散らしても「ラブストーリーは綺麗なヒロインがハンサムで金持ちと男性と結ばれることでしょ。ナニ怒ってんの」と嘲笑われるのが落ちである。つまり私にはラブストーリーを観る資格がないのだ。

本当に悲しい時代である。女は結婚のことしか考えてはいけない。リジー以外のベネット家の女性たちは皆愚かしい存在として描かれている。
リジーだけがヒロインとして賢い存在として登場するが結局結婚のことしか考えてはいない。いや、本当につっぱねている妹がいるようだったが、それはそれでやっぱり嘲笑されている。
嫌な設定だ。両親は長女と次女リジーは美人で結婚の見込みもあるが他の娘は不細工で性格も悪いと見放している。何故そんなに嫌うのか。嫌っているから性格も悪くなったのか。今だったら三女の不細工で生意気なことばかり言う娘を主人公にするかもしれない。
世間体を考えてとんでもない悪党と結婚できるよう手配をしてくれるダーシー氏の思いやりはいいことだったんだろうか。
友人とリジーの姉の結婚は?リジーと結婚する為に取り返しのつかない酷い手配をしてしまったのではないのか。
それを感謝してる親子。なんでもいいから結婚することこそが幸せな時代だったのだと納得しなきゃいけないんだろうか。

それともこの物語、結局女は容姿で男は金というのが世の中の真実なんだと皮肉って見せているんだろうか。
だったらこの最後「かっこ悪いー」と笑うのが正しい見方なのかもしれない。もしそうならそうで嫌な話だ。
どちらにしても私はこういう作品は好きになれない。心底つまらない。

ダーシー氏の叔母に「婚約しないと約束しなさい」と言われ「そんな約束はしません」じゃなく「婚約はしません」というのは変だが。

唯一嬉しかったのはドナルド・サザーランド。年取ってもちっとも変わらずかっこいいんだもん。きゃ。

監督:ジョー・ライト 出演:キーラ・ナイトレイ マシュー・マクファディン ドナルド・サザーランド ブレンダ・ブレッシン ロザムンド・パイク ジュディ・デンチ サイモン・ウッズ ルパート・フレンド
2005年 / イギリス


posted by フェイユイ at 23:05| Comment(4) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
恋愛映画は苦手なのですが、ベン・ウィショー君の「ブライトスター」がカンヌ入りした事もあってたまには苦手なジャンルで「情愛と友情」みたいなタイトルの「プライドと偏見」などでも観てみようかと思ったらフェイユイさまのこのレヴュー。
これはそそらない内容ですねー。観ていてカリカリしてしまいそうです。

「ブライトスター」は宣伝用の一部分だけ観ましたがどーも全く全くベンを生かしていないような感じでした。(カンヌでの評判も良くなかった)
まだ全編は観られていないので断言はできないのですが監督のインタビュー等を読んでも
期待はずれな印象が・・。

今年中に撮影に取り掛かるであろう「kill your dalling」は監督がはっきりゲイ映画を
宣言しているのでこっちは期待出来るといいなと思っております。
Posted by ふぇでり子 at 2009年05月17日 23:06
私の感想でこの映画が観れなくなってしまうのは申し訳ないですが^^;
評価は結構高いようですが私は苦手でした。

『ブライトスター』そうですか。残念ですね。でも観たいです(笑)
『kill your dalling』はさらに観たいものですね!!!!

いつもながら貴重な情報ありがとうございます。早くベンに会いたいなあ。
Posted by フェイユイ at 2009年05月18日 00:43
今日チェックしてみたらyou tubeにブライトスターの一部分があがってました

Bright Star by Jane Campion - 2009 Cannes Film Festival - Official competition
 で検索してみてください
Posted by ふぇでり子 at 2009年05月18日 21:22
ありいがとうございます!!!

確かにこの映像だけだとどきどきするようなものはないですねー^^;

とにかくきちんとした状態で見れるまで待つしかないでしょうか?^^;^^;
Posted by フェイユイ at 2009年05月19日 00:20
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