映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年06月30日

『ラビリンス/魔王の迷宮』ジム・ヘンソン

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Labyrinth

ジム・ヘンソン監督であのデヴィッド・ボウイがゴブリンの王を演じているという物凄く豪華な作品なのだが、こちらは記憶なく初見なのだろう。
いつもながらマペット達が気持ち悪く不気味で物語も面白く丹念に作られている素晴らしいファンタジー映画であった。

主人公を演じるジェニファー・コネリーが美しくてとても愛らしい。少女期にこういう優れたファンタジー作品の主役ができるというのは恵まれているのじゃなかろうか。
一人でゴブリン世界に浸っているような今ならオタク少女なのだが、変に媚びた設定にせずとても少女らしい魅力にあふれている。
ゴブリンの王がデヴィッド・ボウイのような美貌であるというのは少女の夢を表しているのだろう。金色の長髪にいかにも彼らしい艶やかな衣装を着た魔王は彼の特別なファンならずとも見惚れてしまうかっこよさだ。
映画の冒頭に(ここではサラ自身が)語られる言葉が物語を意味しているというのは昨日観た『神に選ばれし無敵の男』同様ファンタジーの鍵となる。
またサラが自分で言った言葉が弟を魔王のところへ追いやってしまったというのも面白い設定で彼女は我がままだった自分の失敗を自分で償うことになる、という戒めも含んでいるのが子供向けらしく意味深い。

ところで大好きなデル・トロ監督の『パンズ・ラビリンス』も少女が主人公だったわけでやはり迷路には少女が似合うのだろうか。そして醜悪なゴブリンやクリーチャーと美少女という組み合わせはマニアックなエロスも感じられるわけである。
サラが不可解な迷路を探っていく様子は『不思議の国のアリス』のようでもあり色んな謎ときや奇妙な敵と戦いながら可愛いサラが懸命に頑張る姿を楽しめるのである。
ゴブリンから渡された果物を食べて「弟を探している」という記憶を失ったサラがその記憶を取り戻す場面は一番緊迫感のある名場面ではないだろうか。
彼女がそれまでこだわっていたぬいぐるみなどを「がらくた」だと言い、弟を取り戻すことが自分の願いだったと思いだす。

やっと辿り着いた魔王の城の内部も面白く、エッシャーのだまし絵が再現されそこを魔王とサラと弟トビーが歩き回る。
魔王の言葉でこれまでの魔王の仕業は実はサラ自身の誤った願いだったということがわかる。
だがサラが成長し本当に大切なものは何なのかを知ることで偽りの魔王は無力となる。
さてここまでだとそれは正しいことではあるがまるでなんだか少女の夢を全部失ってしまったかのようで寂しいではないか。
最後の最後でサラがゴブリン達をいつまでも必要としている、と言うことでゴブリン達との別れはないのだと示される。これはもうゴブリン達を愛する作者側の願望でもあるわけで決して夢の国を忘れ去ってはいけないよ、と言っているようだ。夢の国を思うことはとても素晴らしいことなのだから。

監督:ジム・ヘンソン 出演:デヴィッド・ボウイ ジェニファー・コネリー シェリー・トンプソン
1986年アメリカ


ラベル:ファンタジー
posted by フェイユイ at 22:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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