映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年07月04日

『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』ギレルモ・デル・トロ

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HELLBOY II: THE GOLDEN ARMY

ヒューマニズム溢れる、と言いたかったのだが、この物語ではヒューマニズム(人間性)というものが間違っていて(つまり言葉の意味あいではなく人間の精神と言う意味で)モンスターニズム(という英語があるのかどうか知らないが。フェアリーイズムでもゴブリズムでもよいが)こそが世界にとって正しいのであるが、ここでは一応いい意味でヒューマニズム溢れるギレルモ・デル・トロ作品には参ってしまう。
先日もぶーたれたバットマン『ダークナイト』世界には何の魅力も感じないがこちらのヒーロー・ヘルボーイには本気で惚れてしまう私なのである。
勿論彼のファンはたくさんいるのだが、どうしてこう人間はモンスター・妖怪・異形のものに心惹かれるのだろうか。人間が持ち得ない彼らのパワーに、普通の人間から見れば「醜い」と言われる姿に何故憧れてしまうのか。
そしてもう一つは自分たちが正しい、自分たちが一番優秀だと思い込んでいる人間という生物への疑問でもあるのだろう。
人間社会で生活する羽目になったヘルボーイ、エイブ、リズたちは利用される時は利用されてもその異形さや尋常でないパワーを結局は忌み嫌われてしまう。
それでも人間に好かれたいと思ってしまうヘルボーイに「私だけがあなたを好きでもいいじゃないの」と問いかけるリズの気持ちが切ない。
悪役であるヌアダ王子は決して間違ったことを言っているわけではなく、彼の手先となる植物モンスターを倒す羽目になるヘルボーイは躊躇する。そして人間を救ったヘルボーイに対する人間の態度は彼を侮蔑するだけなのだ。
戦いが終わった後、ヘルボーイたちは人間社会から離れる決意をする。ハッピーエンドのはずなのに、どこか物悲しく苦い味がするラストなのだ。

これは無論そのまま人間界とモンスターたちの物語として観ていいのだが私にはなんとなくヘルボーイたちが俗にいう「おたく」たちのように思えてしまう。
世間から疎ましがられ気持ち悪がられる彼らの様子がどうしても「おたく」たちのように見えてしまうのだ。
彼らの破壊的なパワーや優れた頭脳は「おたく」たちが「普通の人」たちに見せつけてやりたいという願望のように思えてしまう。
彼らは彼らの世界においてその異形な存在のままのびのびと自由に振る舞えるのだ。
私が彼らの世界に強く惹かれてしまうのはやはり自分もそこの住人であるからなのだろう。

ニューヨークの街角でそうしたモンスター世界への入り口がある、というのもわくわくする設定ではないか。
日本なら『げげげの鬼太郎』世界への入り口があるような感じ。怖いけどちょっと入り込んでみたくなる。

ヘルボーイのキャラクターが大好きなのだ。男らしくて優しくてちょっとだらしないけどかっこいい。リズが羨ましくてしょうがない。リズにも憧れる。怒ると火となって燃え上がってしまう。ヘルボーイのことをとても愛していてチャーミング。
相棒のエイブも魅力的。今回は彼のラブストーリーが泣けるのだが、二人とも愛する女性に優しくてロマンチックなところがとてもいい。この辺はメキシコ人であるデル・トロ監督の持ち味でもあるのだろうな。

リズがヘルボーイとの間にできたお腹の中の子供が双子だということを告げてエンド。第3話はファミリーでの活躍になるんだろうか。

寂しかったのはTに登場したマイヤーズ役のルパート・エヴァンズが出てなかったこと。南極に左遷ってそりゃないでしょ。あんまり残念がっている人もいなさそうだし。でも少しでいいから出て欲しかったなあ。

監督:ギレルモ・デル・トロ 出演: ロン・パールマン セルマ・ブレア ダグ・ジョーンズ ルーク・ゴス ジェフリー・タンバー ジョン・ハート ジェフリー・タンバー
2008年アメリカ


posted by フェイユイ at 23:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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