映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年07月15日

『青い沼の女』実相寺昭雄

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実相寺監督らしいあまり予算のない中で何かと演出を凝らして雰囲気を出していくこのチープな感じが好きである。
原作が泉鏡花で幻想的であることを期待させられるし(と言っても私は鏡花は全然知らないのだがイメージ的に)無論映像は思い入れたっぷりの雰囲気で楽しめる。
だがこれで勿体ないなあと思うのはヒロインの山元陽子さんは申し分のない美女で何の不満もないのだが、彼女を挟んで愛憎劇を繰り広げる二人の男優がどうしてもいただけない。本当に申し訳ない言い方だが中山仁と田村亮(ロンブーじゃなくて俳優の)なのが二人ともどうにもおじさん過ぎて、いやおじさんでいいのだがなんだか色気がないのだよねー。
当たり前だがこういう幻想的なドラマというのは(なんでもそうだろけど)俳優の魅力というのが決め手である。登場人物はごく当たり前の人間というよりどこか他と違う美貌や才能を持っていて欲しい。お二人は確かに俳優として当然の美男ではあるのだろうが匂い立つような妖しさだとかが足りなくてどうしても普通のおじさん、みたいに見えてしまう。山本陽子さんだけは魔の魅力を感じるがどうして男性陣はこんな味気ない面々でそろえたのか、当時では人気があったのだろうか、この顔では単なる昼メロに見えてしまって損だと思うがまあこれはTVドラマであって私のようにまったくTVドラマを観ない者にはよく判らないのかもしれない。

原作が泉鏡花『沼夫人』ってなんだか凄いタイトル。いや沼って名前の方も確かにいるだろうがここでは姓ではなく心中事件を起こす女性のことだ。脚本が岸田理生というのもなるほどね。
舞台が田舎に建つ富裕な画商の洋館で勝手気ままな御曹司滝川とその美しい夫人・水絵。そして滝川と大学以来の友人・流の三角関係をおどろおどろしくも美しく幻想的に描いたものである。
水絵と流(みんな水っぽい名前なのだ)は心中事件を起こすが流だけは生き残ってしまう。友人滝川に引け目を感じている流のもとへ再婚の手紙が送られてくる。過去はもう忘れたから遊びに来てくれ、というのである。
この新しい夫人が前夫人水絵にそっくりで(山本陽子ふた役)再び流を苦しめる、という物語である。
洋館のホラーっぽさもよろしいし、怪しげな執事も登場し、その上霊媒師まで参加してくるにぎやかさなのだが如何せん肝心の(いや肝心は夫人だろうが、男だってやはりいいのを選んで欲しい)二人の友人に魅力を感じないままの鑑賞なのでいまいち楽しめない。
他はそのままでいいから彼らだけ誰かいい人と交代してくれないかなあ、という残念なドラマだった。
こういう手作りっぽいオールセットのドラマというのも面白いと思うんだけどねえ。

監督:実相寺昭雄 出演:山本陽子 中山仁 田村亮 堀内正美 原知佐子
1986年 / 日本


posted by フェイユイ at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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