
The Adventures of Pricilla: Queen of the Desert
何故こうもドラァグ・クイーンに惹かれるのか。小さい頃、TVで初めて女装の男性を見た時からなんて不思議に綺麗な人なんだろう、とまじまじと見てしまって以来、その存在に言いようのない憧れを持ってしまうのだ。
これは単に好みの問題だが、あまりに女性そのもの、という人より長身でたくましい体の人が女装している時さらに好きになってしまうのもよく判らないのだが。さらに年をとってたり、美形とは言い難い人が女装をする方がより見入ってしまうのである。
さて先日久しぶりにテレンス・スタンプを『イギリスから来た男』で観てその魅力に参ってしまい彼の出演作をと探してこれを最初に観る私も私だがとりあえず自分のテレンスのイメージはこちらの世界であったりするのでこれで正解なのだが。
物語はドラァグ・クイーンの3人が彼女たちが住むシドニーから遠く離れた田舎町のホテルでのショービジネスの依頼で旅立つことから始まるロード・ムービーである。
かつて『レ・ガールズ』という有名なドラァグ・クイーン・ダンスグループにいたというバーナデッドを演じるのがテレンス・スタンプ。と言っても彼らのダンスは別段それほど物凄いってわけでもないんだけど、それでもしっかり魅せてくれるのが不思議でもある。
特にテレンスなんてそうそう動けてないはずなのだがもう顔の表情だけで納得させられている気がする。
とはいえこれは映画ならではだと思うが次々と変化する彼女たちの化粧と衣装は見もので楽しい。
広大なオーストラリアの砂漠を物凄い衣装のドラァグクイーンを屋根の上に乗せたバスが猛スピードで駆け抜けていくのは圧巻。あのどでかい布地がなびくのは人間で支えきれるのか?
ちょっと意味ありげな歌も楽しく、『アバ』が問題になるのもいかにもドラァグクイーンらしい。
ミッチがどうしても告白できないでいた女性の妻と二人の間の息子が彼を快く迎え入れ、特に気になる息子のベンジー(!)が信じられないほどパパを理解し愛してくれるのはドラァグクイーンで且つ父親である彼らの願望なのかもしれないがとても嬉しい結果であった。
そしてバーナデッドは運命の人に出会えたのだろうか。これもまた夢のようなラブストーリーだったりする。
監督:ステファン・エリオット 出演:テレンス・スタンプ ヒューゴ・ウィービング ガイ・ピアース ビル・ハンター サラ・チャドウィック
1994年オーストラリア