映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年08月05日

『カリギュラ』ティント・ブラス ジャンカルロ・ルイ ボブ・グッチョーネ

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CALIGULA

公開当時、アメリカの雑誌『ペントハウス』が製作したということで内容の際どさが話題になったのは覚えているが多分観てない、かな。
あまりいい評価も聞かないようなので観るのもためらわれたが、マルコムを観たいので嫌なら途中で止めればいいやと思い鑑賞。観だしたら結構面白くてかなり長いのに最後まで観終えてしまった。

確かにこれは「ハードコアポルノ」だと言われるだけのことはあって、際限なくポルノシーン、ただもう裸体の男女、男男、女女の絡みやら単に立ってるのやらが物語の進行中あちこちで登場してくる。どうやら主演俳優たちとポルノシーンは別撮りで騙されて出演させられた、ということらしいが自分としてはそれほど怒りまくるほどの低俗なものでもないように思える。
なにせ主要出演俳優がカリギュラはマルコム・マクダウェル、そのお祖父ちゃん皇帝にピーター・オトゥール、家臣にジョン・ギールグッド、カリギュラの正妃にヘレン・ミレン、と何故かイタリア人じゃなくイギリスの錚々たる俳優陣で固められているので壮麗な舞台劇でも観てるかのような重厚さがあるし(アメリカ俳優を選ばなかったのが偉いね。脇はイタリア系が多いみたい)その重い部分とポルノシーンが手際よく見事に層を成していて緩急の配分の上手さで長丁場も耐えきれるのだろう(ポルノシーンを耐えてるような気もするが)そのポルノシーンもアメリカ映画であるにも関わらず男女だけでなく(割合としてはそれが多いが)女女は勿論、男男の口淫も映されているからなかなか本格的だと言っていいのではないだろうか。
それにしても口淫シーンが多い。
そういえばこのDVDは『ヘア解禁版』となってるがあくまでヘアであって性器にはモザイクがかかっている。そこまでするか。
(ちょっと前、ガエル・ガルシア・ベルナルのインタビューで「日本では僕のものが変な風に映ってるんだ。見せちゃいけないんだよ」とか言って大笑いしてるのが恥ずかしくて(ガエルが正しい!)もう今の時代、いい加減にしろよ、と言いたくなる)
とは言え、当時は映画館で大きなボカシが入っていた為、ポルノシーンはクローズアップばかりだから画面全部ボカシで何がなんだかわからなかっただろう。かなりカットもされたようだし。
 
まあいいや。
とにかく、マルコムのカリギュラなんてまさにはまり役なわけで若くて綺麗なマルコムをずーっと観れてとても楽しかった。男女ともに好きでしかも実の妹を一番心体共に愛していて青い目がもういっちゃってるカリギュラのマルコムは素晴らしく魅力的だった。
ところで私は小栗旬を観る度にマルコム・マクダウェルに似てるなあと思ってたんだけど小栗も『カリギュラ』やってたんだよね。あれってやっぱりマルコムに似てるって蜷川氏が思ったのか?彼のも観てみたい。
いっちゃってる目のピーター・オトゥールお祖父ちゃん皇帝もよろしいし、ギールグッド氏は言うことなし。ヘレン・ミレンのカエソニアなんて「ローマ一のふしだらな女」という役なんだけど迫力ある。

そして映画はエロだけでなくグロもかなり強烈で今現在このような映画を製作することはできるんだろうか、とさえ思えてくる。しかもこの大作の規模で。

エログロを楽しむもよし、でもエログロ苦手でも何とかそこは凌いで主要俳優の素晴らしい演技だけに集中するもよし。
私は一般の評価ほど悪くないとても楽しめる歴史劇だと思えたのだが。
マルコム・マクダウェルはやっぱり素敵だった。

監督:ティント・ブラス ジャンカルロ・ルイ ボブ・グッチョーネ 出演:マルコム・マクダウェル ピーター・オトゥール ジョン・ギールグッド ヘレン・ミレン テレサ・アン・サヴォイ
1980年アメリカ



posted by フェイユイ at 00:58| Comment(6) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
偶然にも私はここ3日ばかりマルコム・マクダウェルの事を考えておりました。

カリギュラ公開時、あまり良い事書かれていなかったし出来上がりを観てピーター・オトゥールが「こんなポルノに出た覚えはない」みたいなことを言ったとかでしたが、私も自分で観たときは言われているほど悪くないよー。嫌いじゃないなー、マルコムやっぱり素敵だー、という感想でした。
(余談ですがカリギュラと近親相姦姉ドルシラ役のB級女優テレサ・アン・サヴォイ が私は好きなのだ。)

やってることはさんざんなのにマルカムのやたら綺麗な青い目が印象的だった。
そして原作も読んでしまった。
(また余談ですがベンをギリシア・ローマもので観てみたいです。 衣装も似合うはず。)
Posted by ふぇでり子 at 2009年08月05日 21:22
世の中の評価ほど悪い映画じゃないと思います。今、ではまだ無理なのか、もう少し経てばもっと評価が上がるのでは(笑)
しかし日本版DVDもうそろそろ「モザイク」はやめてくれー。どういう価値観なのか?何の意味があるのか?

マルコムの青い目って不思議な魅力があります。

ドルシア役の女優さん、記事で触れ損ねてますが、とてもよかったですね。あんまり美人っていうのではないですが体がとてもきれい。不謹慎な関係ですが彼女がいたことでカリギュラがまだしも抑えられていたのだ、という描き方がよかったです。

ベンはどういう役をやってもらいましょうか?衣裳って、つまりミニスカートのひらひらシースルーってことですよね(笑)
Posted by フェイユイ at 2009年08月06日 00:49
そうそう、この時代ならではのあのミニスカート衣装です。頭に月桂樹?かなんかの冠をつけるスタイルも似合うと思うのです。

はーやさまに例のお礼メールをした時少し書いたのですが、私はローマ史上もっともデカダンスな少年皇帝ヘリオガバルスをベンに演じて欲しいという希望がありまして、これなら衣装もバッチリですよー!
適役な監督さえいたら絶対当たり役だと思ってるんですが。

ドルシア役のテレサ・アン・サヴォイ を観るために昔ポルノ映画館に行った事もあります。(エロ場面が多いのでポルノ扱いにされていたのですが一応主演はヘルムート・バーガーでイングリット・チューリンも出ていた。雰囲気は良かったけど出来はイマイチの映画でした)
彼女はあまり出演作は多くない上、脱ぎっぷりのいいB級作ばかりなんですが、ちょっとブスみたいな顔なんですけどこの「そそるブス」って感じが好きなのかもしれません。

色気のない美人だったら、色気があってすぐ脱いでくれるちょいブスの方が好きですね。・・また変なコメントになってしまいました・・・
Posted by ふぇでり子 at 2009年08月06日 20:58
ヘリオガバルス!早速検索してみたら「あーそうだった」と思い出しましたが、また凄いとこ持ってきましたねー(笑)
私は変な方を考えてたんですよ。どうしてもベンって王侯貴族て感じに思えなくて(そのくせセバスチャンが一番好きなくせに)変なものを考えてました.変なものって何って言われると明確じゃないんですが(笑)

『サロン・キティ』って奴ですか。ヘルムート!いいですねー。今度はヘルムート観たくなってきました(笑)繋がっていくなあ。
いや是非観よう!!

変なコメント・・・いやもうふぇでり子さんならではの!いつも楽しみです!!!
Posted by フェイユイ at 2009年08月07日 00:27
まあ、あのー・・ベンは裕福そうなルックスではないよね。平たく言えばちょい貧乏くさい(ベンごめん)
彼の演技力でセバスチャンも予想以上に作り上げていましたが、見た目のみだったら貴族的ではないしマシューの方がイイとこのぼんぼんに見える。
でもギリシアの風俗の中だと悪くないんじゃないかと。

実際レイヤーケーキの頃ベンに、BBCとABC共同の大河ドラマ「ROME」のオクタヴィアヌス役でオファーがあったらしいんですよ。
アグリッパに可愛がられ守られる若いオクタヴィアヌス というこれも実現していたらなかなか美味しそうな役だったですが、すでにパフュームの話もあっただろうから仕方ないですね。

ヘリオガバルスはアントナン・アルトーに「ヘリオガバルス 戴冠せるアナーキスト」という名著があります。難解な散文詩のような作品です。
カリギュラのように実際の行いを具体的に見せていくというより、この小説のシュルレアリズムを映像化したようなものを(難しそうだけど)観てみたいんです。
している事は汚れた行為でも同時に天使的なニュアンスをも感じさせることがベンならば出来ると思っているんですが。

監督はフェリーニかデレク・ジャーマン辺りかなーと思うのですがどちらも存命でいらっしゃらないので・・・

そうです「サロン・キティ」です。
ヘルムート・バーガーの軍服姿が美しかったですね。
Posted by ふぇでり子 at 2009年08月07日 21:47
うはあ、面白そうな本ですねえ。これも是非読んでみたいというか読みます。

こういう作品は映画にするにしても深みとか重さが欲しいのですが新しい映画監督は昔の人に比べどうしても軽くなってしまう気がするのですよねえ。
あげられた両監督のような趣きを持った創作者がいるだろうか、などと思ってしまうのは年をとったせいなんでしょうか?

『サロンキティ』も近々観ます(笑)
Posted by フェイユイ at 2009年08月08日 00:46
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