映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年08月21日

『バスキア』ジュリアン・シュナーベル

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Basquiat

冒頭に生涯一枚の絵しか売れなかったゴッホのことが語られ、まだ売れてない頃のバスキアの物語が始まるのだが、対照的に若くして認められ次々と作品が売れまくっていく。
この作品ではそんなバスキアの心の奥まで覗くことはなく短い生涯をスケッチ風に捉えたと言うイメージであった。

例えば女性からもてているバスキアとゲイであるウォーホルが非常緊密な関係になっていくんだけど、その実どういう緊密さだったのかはよく判んない。この作品を観てるとかなり深い関係だったように見えるしウォーホルの死後彼のビデオを観て泣いてたり、まるで彼の死のせいでバスキアの薬物依存が酷くなって言ったかのように見えてしまう。しかも最後辺りは女性の影もなくなってしまう。
バスキアもゲイ的な人だったかのように思えてしまうのだが、どうなのだろう。そこらはあやふやな感じである。

バスキアを演じたジェフリー・ライトが悪いわけではないのだが(私はバスキアの姿とか知らないのですんなり観てしまったのだが)後で彼自身の写真を見るとジェフリーとは比べ物にならないほど(失礼)ハンサムですらりとした若者で確かにこんな青年がしかも天才だったらウォーホルも黙っておけないよな、なんて思ってしまう。
何だかジャン・コクトーとレイモン・ラディゲみたいな感じではないか。
彼らと違うのは死ぬ順番ということになるが、ウォーホルの死後、腑抜けのようになってしまうバスキアを(映画を観てるとそう見える)助けるのが以前からの親友でバスキアが有名になってから喧嘩別れしていた白人の友人である。
そういえばバスキアってこの映画では恋人も声をかける女性も友人になる男性も殆ど皆白人なのだ。

絵画っていうのはやはり受け止めるのが難しい。誰でも一応絵は描ける。描けるだけにそこから技術的に優れた者とそうでない者の区別はしやすいが、芸術的か、他よりどこか優れたものが心をつかむものがあるか、という判断になると途端に素人は絶句することになる。
ゴッホの絵は誰も理解できなかったが、ではこの絵はどうなのか?というわけである。
バスキアが作品中「初めての優れた黒人画家」というような言われ方をしてむっとする。「原始人の絵」みたいな言われ方も。
さて私としては確かに面白くて印象に残る絵画だと思うが、そのハンサムな容貌も含めてウォーホルと言う存在も含めて、やはり彼を取り巻く白人たちの流行やら嗜好に合ったための現象だとこの映画は言ってる気がしなくもない。(ハンサムはこの映画では関係ないか←再びジェフリーさんごめん)

ゴッホと違ってあっという間にスターになったバスキアよりデヴィッド・ボウイが演じたウォーホルやデル・トロが演じた友人のほうがより魅力的に見えてしまうのはどういうことだろう。

それにしてもあんな広いアトリエで思い切り絵を描けるのは楽しそうだ。日がな絵を描いて過ごす。と言うのが私の老後の夢なんだけど、叶うといいなあ。

監督:ジュリアン・シュナーベル 出演:ジェフリー・ライト ベニチオ・デル・トロ デニス・ホッパー デヴィッド・ボウイ クリストファー・ウォーケン ウィレム・デフォー ゲイリー・オールドマン コートニー・ラヴ 
1996年アメリカ


ラベル:芸術
posted by フェイユイ at 23:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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