映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年09月06日

『ハメット』ヴィム・ヴェンダース

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Hammett

自分でもどちらかというと男っぽい物語が好きなのではないかと思っている為、かつて『ハードボイルド』なるものを好きになるべき、であったらかっこいいのではないかと考え何度も挑戦してみたことがある。
が、どうしてもハードボイルドの世界、というのに心から入り込むことはできずとうとう諦めてしまった。
今こうして観てみてもこの世界が大好きにはなれないのだが、それは当然だろう。この世界はあくまでも男が男の為に作った世界なのであって女が共感するのを望んではいないはずだ。とは言え、女性でこの世界が大好きなのだという人がいたとしてもそれはそれでいい。彼女たちが見ている場所は私とは違うのだろう。
思うにこの世界の主人公がそのままで女性だったらきっと好きになるに違いないし、それを観た男性はどこか男が疎外されているような気持ちになってしまうのではないか。
今ではそういう女性版ハードボイルド的な作品も作られているのではないかと思うしハードボイルドとは違うが先日観た『テルマ&ルイーズ』はまさに男性がすなることを女性もやってみるなり、な世界であり、やはり女性として共感しすかっとしてしまうのだから、主人公が男性なのか、女性なのか、だけのことなのかもしれない。
そういえば面白いのはダシール・ハメットはあのリリアン・ヘルマンと恋人関係だったわけで、彼女のことを描いた『ジュリア』は女版ハードボイルドとは言えないだろうか。

さて本作はどうやらハードボイルドを愛読し同じく映画も愛している諸君にはたまらない作品なのではないだろうか。
ハードボイルドの代表的作家の一人ダシール・ハメットを主人公にしてまさに彼の作品そのままの世界を彼に演じさせているような物語なのだろうと推察する。
ハメットを演じるフレデリック・フォレストもハメットを彷彿とさせるような名演技なのだろう。彼を知らなくても充分渋さを感じられる。荒っぽい言動でどこかこの人生に疲れたような大人の雰囲気はこの世界になくてはならないものなのだ。
ハードボイルドが好きではなくともそういう美学に酔い痴れるが為の物語、謎めいたチャイナタウン、胡散臭い秘密組織、愛している女性、酒を流し込み煙草を離せない男っぽい男が描かれる。

私にしてみればこの世界より、これも先日観たクローネンバーグの『裸のランチ』のほうが断然好きなのであるがああいう奇妙な世界が好きな人間とハードボイルド人間は相容れないものなのだろうか。中には両方好きな人もいるかもしれない。

監督:ヴィム・ヴェンダース 出演:フレデリック・フォレスト ピーター・ボイル マリル・ヘナー ジャック・ナンス シルヴィア・シドニー ロイ・キニア
1982年アメリカ



posted by フェイユイ at 22:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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