映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年09月21日

『ウェルカム・トゥ・サラエボ』マイケル・ウィインターボトム

Sarajevo-36.jpgdirector_winterbottom_05.jpggd3saraj.gif
WELCOME TO SARAJEVO

いくつもの戦争映画、ドキュメンタリーを観ても何らかの答えと言うのは私には判りそうもない。どれを観ても無力感と苛立ちが襲ってくるばかりなのだが、それでもやはり何も知らないままではいけないと思い、またがっくりとしてしまう。
この作品はサラエボでの紛争を一人のジャーナリストの目を通して実際の映像も交えながらドキュメンタリーを思わせるタッチで描いている。いくつかの場面を除いては「敵の姿」が見えずいきなり銃弾に倒れてしまう、という光景が多く、その為に何も知らなければ一体誰が何をしているのか理解しにくいものになっている。それは「誰が悪いのか」ということを問いただしているのではなく、一つの街の中で絶え間なく続く紛争によってごく普通の人々がどんなにあっけなく惨たらしく殺されていくのかに焦点を当てたい為なのだろうか。

そしてもう一つはこの地獄の中で生きて行かなければならない子供たち。主人公のマイケルはたくさんの子供たちの中でたった一人の少女の涙に耐えきれず彼女を自分の家族に入れることを決心してしまう。
しかも後に彼女には母親がいることが判るのだがマイケルは母親を説得して絶対にこの地に少女を戻さないと決めてしまうのだ。
このエピソードについてこの表現についてもしかしたら疑問に思う人もいるだろうか、それとも全員少女をこの地獄の街に戻すことは反対だろうか。他の惨たらしい映像を淡々と映し出すのに比べ、少女エミラの描写だけは感情的なものになっているのだが、それはごく当然のことだ。
エミラを絶対にこの場所には戻さない、と誓うマイケルと母親のあきらめにほっとした。マイケルの奥さんの寛容さに対して一番胸を撫で下ろした。状況を見ないまま共感できるというのは凄いことなのではないか。

世界で14番目に悲惨な街、という表現を皮肉に使っている。他にもっと大変な所があるから忙しくてね、少し我慢してくれ、って。

監督:マイケル・ウィンターボトム 出演:スティーブン・ディレーン ウディ・ハレルソン マリサ・トメイ ケリー・フォックス エミラ・ヌシェヴィッチ ゴラン・ヴィシュニック ジェームズ ネスビット エミリー・ロイド
1997年イギリス


ラベル:戦争 歴史
posted by フェイユイ at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。