映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年10月03日

『デッドマン・ウォーキング』ティム・ロビンス

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DEAD MAN WALKING

この映画はティム・ロビンスが監督した作品だということで今まで存在すら知らなかったのだが観てみることにした。主役のシスター・ヘレンをティムのパートナーであるスーザン・サランドンが演じている。

ニューオーリンズ「希望の家」で黒人の子供たちの世話をするシスター・ヘレンのもとに死刑囚からの手紙が届く。面会を求めている彼のことをよく知らないままに彼女は刑務所を訪問する。自分は無実なのに死刑になってしまうと訴える死刑囚マシューはシスター・ヘレンに助命を求める。初めての体験に戸惑いながらも彼の要求を受け入れようとする彼女だが、マシューが犯した(とされている)殺人事件の惨たらしさ、彼自身の人格、そして被害者の家族の悲痛な言葉を聞くうちにヘレンは迷い打ちのめされていく。

死刑制度の賛否と犯罪者と犠牲者及び家族の様々な問題がヘレンを苦しめていく。単純に善行だと言われるどころかモンスターのような犯罪者を援護する者として侮蔑の目で見られることに耐えなければならない。
そして自分を無実だと訴えたマシューは最後に自ら殺人を犯したことを告白する。
他の映画では無実の死刑囚を助ける為に奮闘する、というものがあったっけ。だが実際には殺人を犯した死刑囚が存在するわけで彼らをどう思いどんな罰を与えるのかは人によって違うわけで刑罰を決めることがどんなに大変なことなのか改めて考えさせられてしまう。
映画作品としてかなり長い時間枠で丁寧に作られており加害者と被害者のどちらかに偏り過ぎないよう根気よく公平に構成されていると思う。
ヘレンがシスターとしてどちらの気持ちも汲もうとして自分を非難した被害者の両親から「我々のほうについてくれると思ったのに。両方の味方にはなれない。あなたは敵だ」と悲痛な叫びを聞かされてしまう。
そしてヘレンは善良な被害者家族ではなく、どうしても歪んだ考えを捨てきれない犯罪者マシューの傍につくことを決意する。

こういう犯罪者側の援護に思える作品を作るのは非常に難しいことだろう。作中での被害者の両親がそのまま作り手に苦情を言っているように思える。
作品の合間合間にマシューがどんな恐ろしい犯罪を犯したかが映し出されるのは、観客がマシューに感情移入して同情的になり過ぎないようにという配慮に思われる。

ティム・ロビンスの監督作品2作目みたいだが、地味で反感ももたれそうな大変難しい題材を非常に細やかに描いている。パートナーのスーザンにこの作品でアカデミー主演女優賞をもたらしたわけで最近観た2作のお馬鹿っぷりはやはり演技だったのだね(当たり前だ^^;)

監督:ティム・ロビンス 出演:スーザン・サランドン ショーン・ペン ロバート・プロスキー R・リー・アーメイ レイモンド・J・バリー
1995年アメリカ


posted by フェイユイ at 00:50| Comment(0) | TrackBack(0) | ティム・ロビンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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