映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年10月16日

『ザ・プレイヤー』ロバート・アルトマン

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THE PLAYER

昨日の鬼才デ・パルマが唖然な内容だったのでより今回の鬼才アルトマンに期待したが、さすがにこちらは面白かった。
先日観た『ショートカッツ』同様皮肉たっぷり薄笑いを浮かべて眺める作品である。
本作のティムは若くてかっこよさげな業界人。お間抜けな表情と人の良さは今回は封印だが、根本的に気の小さい人間なのは彼の作品の共通点みたいだ。これが彼の体のでかさとアンバランスでおかしいのである。

映画業界の内幕話をくすくす笑いながら観て行くことになる。「映画に必要なもの・・・とにかくハッピーエンドだ」という台詞。『自転車泥棒』もハッピーエンドにしてくれと言ったり。
映画は娯楽か芸術か。さあてねえ。私にとっては作品によってその両方の要素が色んな配分で入っているものであって「映画」という一言ですべてを一括りにはできないだろうし。その上本作はそのどちらでもないが面白いのは確か。アルトマン監督はあえてそういう作り方をしたんだろうけど。
ティム・ロビンス演じるグリフィン・ミルは映画会社の重役で映画化する脚本を選ぶのが仕事である。1年に何千本という脚本を差し出され(全部読んではいないだろう)「OK」というのはそのうちの12本だと言う。
彼の属する会社は経営状況が危機にあり、彼自身は敵会社から引き抜かれたライバル出現で首になる恐れを感じていた。そんな折、ミルの元へ「お前は脚本家の敵だ。殺す」といった内容の絵葉書が続けざまに送られてくるのだった。
ティム=ミルは窮地に立たされた焦りと脅迫される恐怖から苛立っている。なんとか犯人と思える脚本家を見つけ出し、穏便に話し合いをしようとするが相手の傲慢な態度にかっとなったミルはその男を殺してしまう。
殺した男にはちょっと風変わりだが美しい恋人がいてミルは話をするうちに彼女に恋をしてしまう。

ストーリー展開はいかにも業界にありがちだと思えるものなのだが、語られる映画についての考えだとか、登場人物の顔ぶれの多彩さとか何と言ってもティム・ロビンスの小狡そうな表情だとかに惹きこまれてしまう。マルコム・マクダウェルが出てたのも驚いたがそういえばアルトマン監督の『バレエ・カンパニー』に出演してたっけ。ティムと恋に落ちるジューンはグレタ・スカッキ。ベン・ウィショーの『情愛と友情』でセバスチャンのパパの愛人の女性。ここではすっごく若くて綺麗なのだ。『情愛と友情』でも綺麗だったけどね。

私は映画の撮り方の違いだとか、見極める力がないので残念だが、映画のあれこれに詳しい人ほどこの作品、色んな仕掛けが見えるのかもしれない。
ティムとグレッタのラブシーンがいきなり濃厚な雰囲気だったのがびっくりであれも誰かの映画風なのかもしんない。

最後の仕掛け映画でホントにジュリア・ロバーツとブルース・ウィリスが登場したのも笑える。
そしてラストシーン。まったく幸せではないのに殺人者がお咎めなしで元の恋人も手酷く捨てたのに嘘のようなハッピーエンド。おなかの大きくなったジューンと熱いキスをするミルだが彼らが幸福になれるとは全然思えないのがおかしいのである。

この時期。ロバート・アルトマン監督、日本びいきだったのか、いつもそうなのか知らないけど、やたら日本と言う言葉が。没になった脚本が「日本に留学したアメリカ学生の物語」っていうのもなんだかうなづける。ヒットはしないだろうな。

監督:ロバート・アルトマン 出演:ティム・ロビンス グレタ・スカッキ フレッド・ウォード ウーピー・ゴールドバーグ ピーター・ギャラガー
1992年アメリカ


posted by フェイユイ at 00:21| Comment(2) | TrackBack(0) | ティム・ロビンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この作品は未見なので評は斜め読みですが(これから先観るかもなので^^)ティム作品研究進むフェイユイさんへ・・私の手元にある「ハリウッドの個性派37人−カルト・アクターズ・ファイル−」著:おかむら良という本について・・。
この著作はユニークな脇役を中心に取り上げ彼女の取材や作品感想を基に役者各人の実像に迫っている面白いデータブックでして,例えばゲイリー・オールドマンであるとかエド・ハリスとか一癖ある役者達の出演作を選ぶのに役立ってます。ティム・ロビンスは私の愛する(?笑)ジョン・キューザックの親友であり彼等のこともこの本から知りました。二人は『シュア・シング』(85)の共演で意気投合、『テープヘッズ』では非常に息の合った所をみせているそうです(だから私も見たいのですかまだ見つけられない^^;)ティムの紹介頁も勿論あり、題して“ベビーフェイスに隠された社会的な視点”。〜好きな作品は「〜自分で初めて監督した『ボブ・ロバーツ』と、憧れの大リーガー演じただけでなくスーザンと知り合えた『さよならゲーム』だね」(95年時点)だそうです。
Posted by フラン at 2009年10月17日 11:32
今夜はジョン・キューザック主演映画を観ました。ティムはほんの少しだけの出番でまさに友情出演という感じでした。
明日はティム監督キューザック出演というのを観遥かなと思ってます。ジョンの出番がどのくらいの長さかはまだ判りませんが。
キューザック初めてじっくり観てとても頭よさそうな役者さんだと思いました。彼の作品も観てみたいの色々あります。
『テープヘッズ』も観てみたいですねー。
『ボブ・ロバーツ』凄く面白かった。『さよならゲーム』が好きな作品というのも微笑ましいですね。
ベビーフェイス、確かに〜(笑)
Posted by フェイユイ at 2009年10月18日 00:41
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