映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年12月21日

『刑事コロンボ 完全版 Vol.8』「溶ける糸」

A Stitch in Crime

今回はなんとあのレナード・ニモイが犯人として登場。私的には彼の登場が一番の目玉である。
しかも優秀かつ冷静沈着な外科医というまさにぴったりの役どころ。

実はニモイが『スタートレック』以外の作品に出てるのをちゃんと観たのはこれが初めてかもしれない。あの独特な風貌が一般社会ではどうなるのかと思ったら極当然にハンサムであった。すらりと長い手足とぴくりと持ちあがる眉はそのままである。
野心家で切れる頭脳を持つ彼はいつものようによれよれで現れたコロンボの才能をすぐに感じ、最後の最後までコロンボを悩ませる。
今回の他との相違点は作品の中で二つの殺人が行われるが第三の殺人、というより本当はその殺人こそが本来の目的であったその殺人が未然に防ぐことができるか、ということにあった。
その為にコロンボは他では見せることのない激昂を犯人にぶつけるのである。
果たして犯人である外科医は再手術の必要を察し、これまた落ち着いた策略で(被害者は落ち着いてはいられないとんでもない状態になってしまうが)再手術で己の罪を隠そうとする。
コロンボは他の作品でもたびたび説明されるが怖いものや注射や手術などが大の苦手で今回も別の医師の説明で手術状況を見せられるのだが、気持ちが悪くなって目をそらすのだが、命がかかっている被害者の再手術の際は目をくぎ付けにして様子を見守るのである。
冒頭では犯人の凶器である金てこにゆで卵をぶつけて割ったりするふざけた場面があるのだが、被害者を守ろうとする為に激しく怒りを表す姿や手術後すぐに部屋の中に入っていくコロンボの懸命さにちょっと打たれる。

この場合の犯罪の凶器が溶ける糸である。心臓手術には形が残るパーマネントの糸を使うのだが、もし溶ける糸を使えば患者は数日で死んでしまうのである。
コロンボはニモイ扮する外科医に再手術を促し、そこで取り換えて摘出するはずの「溶ける糸」を摘発するつもりだった。
だが、手術後すぐに中に入って捜索したのに何も見つからない。
コロンボは負けを認め引きさがるが、思い出したのはいつも冷静な医師がその時だけ激しく怒ってコロンボに詰め寄った「いつもと違う態度」だった。
彼は怒りを演じてコロンボが身に付けた手術着のポケットに素早く「溶ける糸」を隠したのだ。
最も見つからない場所、それがコロンボのポケットだった。

うーん楽しい。ブラウン神父みたい。
ニモイの外科医を観てたらこの前まで観ていた『白い巨塔』の田宮二郎みたいに思えてきた。
日本でコロンボ作るなら田宮=財前は出て欲しいやね。って無理でした。

監督:ハイ・アヴァーバック 脚本:シリル・ヘンドリックス 出演:ピーター・フォーク レナード・ニモイ アン・フランシス
1972〜1973年アメリカ


posted by フェイユイ at 22:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 刑事コロンボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この作品は飽きさせない展開で名作ですよね。私はこの看護士さんの元カレ?というか彼女を慕っていたベトナム還りの彼が注射で麻薬打たれて階段からひっくり返って亡くなって?しまうのが気の毒^^;酷いな〜スポック博士(笑)あとこのアン・フランシス凄〜い怖い目つきでニモイ睨んでましたよね^^;とか、友人の色っぽい女性がコロンボに“しゃっくりの止め方”指導したりとか、、面白いシーン多いですね。^^
Posted by フラン at 2009年12月22日 20:10
なんでしょう。ドラマの人気が上がって製作者側もノリノリに乗っているという時期なのでしょうか。
物語が面白い作品の時は余裕もあって遊びが多くて楽しいです。
Posted by フェイユイ at 2009年12月23日 00:38
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