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2009年12月24日

『刑事コロンボ 完全版 Vol.9』「二つの顔」

Double Shock

コロンボシリーズの中でも特にトリッキーで面白い作品だった。
出足はいかにも胡散臭げなお調子者が犯人で例によってコロンボに盾ついたりと余計な口出しをして「見え見えじゃん」となるのだが、犯人の双子の兄(一卵性双生児、っつーか、無論一人二役なのでそっくり)の登場であっとなり、「あれ、ではさっきの犯人は案外どっちかわからんわけか?」と慌てふためいたのだった。
ところが進行するにつれ、やはり最初の弟の方が明らかに怪しい。一体何がどうなるんだと思いながら観続けると友人だと思って信頼していた弁護士が実は腹に一物ありでまたまた不安に。しかも老人である被害者の「孫ほども年の離れた」婚約者も変な感じなのである。
最初っから見えすいた、と思いながらも何故か物語が迷宮に入っていくようで不可思議な。さしものコロンボ警部もいまいちピンとこないでいる様子。しかも今回の目玉キャラクター「家政婦」さん。
お世話する一家を愛し抜くまさに家政婦の鑑のような女性なのだが、些か過激に過ぎるというのか、おかげでだらしないコロンボ警部は彼女の怒りを買う。
と言っても同情するなあ。私だって綺麗に掃除している部屋に葉巻の灰をボトボト落とされたり、綺麗に掛けていたはずのタオルを取ってきたり、大事な調度品を壊したり、おまけにTVを何度も映らなくされたりしたら頭にくる。
コロンボも「私だって必死であなたのご主人を殺した犯人を探しているんですよ」と反撃するがまたまた失敗しでかして彼女の傷つきやすい心に塩をすりこんでしまうような・・・ああ、しょうもないコロンボ。
これってのはつまり双子の兄弟が実は全く性格が合わなくていつもケンカしているのに互いの共通の目的「金」の為には手を組んだ、というもう一つの性格の合わない二人を見せたのかしらん。
大好きなドラマを何度も中断された家政婦さんにはひたすら同情する。
だらしないコロンボと几帳面な家政婦さんのやり取りが最高におかしく、そっくりの双子の正反対の性格という面白さと、老人と孫ほどに年の離れた婚約者たち、と様々な二つの顔があるのかな。
婚約者の女性の見事なプロポーションをコロンボが目の保養だと眺めている場面がエロチックな要素が少ないコロンボシリーズには珍しい色気かも。そう言えば今回の脚本は隠れたセクシャル担当のボチコ氏である。
且つ、コロンボがTV放送中の料理番組(犯人が料理研究家なのだ)に出演する、というハプニングが起きるのも見どころ。いつものコートと背広を脱ぎワイシャツ姿にエプロン掛けで卵を黄身と白身に分ける技を披露。しかしワイルドなやり方だな。TV放送に突然映されてどぎまぎしながら愛想笑いをしたりするコロンボが見れる。
そして何と言っても謎解きの場面。入浴中の叔父の風呂に電動泡立て機をつっこんで感電死させた為、家政婦さんが見てたTVが映らなくなる。
もし犯人が風呂場から地下のヒューズの場所まで移動するのにどんなに急いでも60秒以上かっかる。だが、TVは20秒で復活していた。
その為には共犯者が必ず必要なのだ。
そっくりな顔であること、同じように叔父の遺産を受け継ぐ身であること、双子の兄弟という設定にする必要のある面白い事件だった。

監督:ロバート・バトラー 脚本:スティーブン・ボチコ ピーター・アラン・フィールズ 出演:ピーター・フォーク マーティン・ランドー ジャネット・ノーラン ポール・スチュワート


posted by フェイユイ at 22:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 刑事コロンボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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