映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2010年01月03日

『刑事コロンボ 完全版 Vol.14』「逆転の構図」

Negative Reaction

年末は忙しいので映画を観るより短めのドラマ『コロンボ』がちょうどいい、と思って観てたのだが年が明けたのにも関わらず、どうしても止められない。どうやら中毒になってしまったようだ。他の映画には食指が動かない。仕方ないのでこのまま観続けてしまうか。

して、今夜も。しかも非常に面白い。ますます止められなくなってしまう。
本作はまたしても大傑作、必見、と言う奴で特筆すべきはコロンボが捜査の為にカソリック教会を訪れる場面。そこではシスターが集まってくる浮浪者たちに慈善の食事を与えていた。心優しきシスターはふらりと現れたコロンボを親切で温かい態度で迎え入れ食事だけでなく暖かなコートを差し出してオンボロレインコートと取り換えてくれようとするのだ。これだけでも観客はTVまで大爆笑だがシスターの親切にほろりとなりながらもいたたまれなくなったコロンボが身分を明かし捜査中だと打ち明けるとシスターは大まじめで「では変装して捜査中でしたのね。(浮浪者を見なれている)私にも判りませんでした。素晴らしい変装です」とくるので皆七転八倒。コロンボも消え入りたいような苦笑いでうつむくことになる。
いやあ、シスターが素敵だ。コロンボも与えられたシチューを食べてなかなかイケる、というのがまた。
そういうシリーズ中でも名場面といえるエピソードを楽しめるだけでなくミステリー自体も大変面白いものだった。
これは結局コロンボが敗北だった、ということになるんだろう。これ、という必殺の証拠を突き付けることをあきらめたコロンボはお得意の罠を仕掛ける。この罠、結構好き嫌いが分かれるようで「卑怯だ」という意見もあるみたいだが、何と言っても面白いんだよね。人の心理を突く楽しさ。
犯人である有名写真家ポール・ガレスコは鉄壁のトリックを作りだしておきながら最後の最後に自らのカメラを自分で選んでしまう、というミスを犯す。
では彼がそれも気づいて尻尾を出さなかったらどうなっていたのか。判らない。判らないが写真に関しては妥協を許さない性格、犯罪の為にだけ撮った写真ですらトリミングが悪いとかで捨ててしまう美意識が彼自身を追い込んでしまったのだろう。無論コロンボは彼のそういうプライドを見こして最後の博打にでたわけで。
それにしても最後のコロンボのがっくりしたような後ろ姿は?やはりこのようなぎりぎりの罠でしか逮捕できなかったことでの落胆でしょうか。きっと考え抜いて疲れ果てたんだと思うのですが。

最初に登場した奥さんが憎々しいので殺されてもしょうがないや、とは思ったが務所帰りのダシュラーは気の毒だった。こういう自分の欲望の為には物凄く冷酷になってしまうのがコロンボシリーズの犯人の恐ろしいところだ。やはり名カメラマンである自分は偉いが務所帰りの人間の命など何とも思っていないのだ。
しかしカメラも今は殆どデジカメになってしまったのでこういうミステリーでの扱いも変わったんだろうなあ。昔の映画は本当によく写真を現像する、というシーンが出てくる。やっぱり映画と関係がある世界だからかな。あの液体に浸すと画像が現れる、と言うシーンは数えきれないほど見たがわくわくする瞬間である。赤い光の部屋だとか出来上がった写真を紐に干している場面なんかも今からはあまり観られなくなってしまう場面なのだろうな。

監督:アルフ・ケリン 脚本:ピーター・S・フィッシャー 出演:ピーター・フォーク ディック・ヴァン・ダイク
1974〜1975年アメリカ


posted by フェイユイ at 22:24| Comment(0) | TrackBack(1) | 刑事コロンボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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刑事コロンボ・逆転の構図
Excerpt: あらゆる手を使って犯人を罠にかけるコロンボ。今回、その手段として使ったのは「相手のプライド」を刺激するというもの。警察側が捜査時にトリックを使うという、ある意味でモラル的に「ギリギリの設定」かもしれま..
Weblog: 映鍵(ei_ken)
Tracked: 2010-02-01 21:43
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