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2010年01月08日

『刑事コロンボ 完全版 Vol.15』「ビデオテープの証言」

Playback

なんでだろ。本作はいつもと違う雰囲気なのである。というのは犯人の妻エリザベスの涙のせいだろうか。

本作の犯人ハロルドはシリーズ中でも最も嫌な犯人の一人だろう。殺人の動機は自分勝手なものである上に被害者は妻の母親であり自分と折り合いが悪くても妻は母親を愛していたわけでその存在を自分の欲望の為だけに殺してしまい、さらに妻には(当たり前だが)嘘をつき通して自分の罪を隠し、また自立して母親の跡を継ごうとする妻を抑圧して閉じ込めてしまうのをまるで愛情であるかのように騙そうとする。
コロンボの捜査中にさほど醜い抵抗を見せるわけでもないがこんなに早く見破られるといい、と憎々しく思った犯人は他にないような気がする。
悲しいのは車椅子に乗る身の上である美しい妻がそんな彼に不満を持ちながらもやはり愛していたのだろう。夫がコロンボにトリックを見破られ逮捕された時、妻が激しく泣き声を上げたというのは他になかったのではないだろうか。
それはやはり大事な母親を優しい面もあった夫が殺害してしまう、というどうしようもない両ばさみの辛さを味わってしまったからなのだろう。犯人を暴いたコロンボがこんなに辛い表情をするラストも珍しい。

それにしても今回の展開はなんだか騒々しく足早だった気がするのだが。
と思って時間を観たらなんと今回は75分ドラマになっていた。いやあ慌ただしく感じたのも無理はない。どういうことなのかな、これは。
確かにきちっとした過不足ない作りだったが長い時間に慣れてしまってたので妙に詰め込まれて余裕のないドラマのように感じてしまったんだろうか。
今回はコロンボの犬くんが出てくる以外はあまり笑いの場面もなくオスカー・ウェルナー演じる犯人が神経に触る嫌な感じだったのでますます重く暗いドラマに感じられてしまった。
そのくせドアを開けるのにいちいち「ぱん!」と大きく手を打たねばならないのが便利というより手が痛くなりそうだし、奥さんが車椅子だから、という理由だったとしてももう少し改良してもらいたい。
こんなことに大金を使われたならお姑さんが怒るのも無理はない。バリアフリーの家造りは素晴らしいが。

ともあれ最新型の邸宅のビデオ撮影によるトリックとそれが逆にコロンボの推理によって暗闇だった部屋が明るくなった理由とビデオ画像を拡大してみたらそこにないはずのものが映っていたという犯人のしくじりを見破られてしまう。
窓から出入りしたはずの犯人の足跡の謎や犯人が警備員にいつもと違う行動を取ってしまったこと、などにコロンボの勘が動く、というのが興味深い。

監督:バーナード・L・コワルスキー 脚本:デビッド・P・ルイス ブッカー・T・ブラッドショー 出演:ピーター・フォーク オスカー・ウェルナー ジーナ・ローランズ 
1974〜1975年アメリカ


posted by フェイユイ at 22:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 刑事コロンボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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