映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2010年01月15日

『刑事コロンボ 完全版 Vol.18』「魔術師の幻想」

Now You See Him

今回の題材はマジック。
だからなのだろうか。コロンボがなんとまったく違うコートを着て登場。他の人が着てるなら何と言うことはないコート(うーん若干違和感んのあるデザインではあるが)なのだが絶対によれよれのレインコートを着て出てくる、と思い込んでいる観客はお呼ばれとかではなく通常の事件現場になんだかちょっとお洒落風なかっちりしたコートを着て来たコロンボを観て仰天してしまう。それこそマジックでも見せられたかのようなへんてこりんな気持ちである。「肩こってしょうがない」とコロンボが言うのだが気持ちサイズも小さいんだろうか、奥さんからのプレゼントらしい。とうとう奥さんあのしょぼくれコートに嫌気がさしたのだろう。
妙にかっちりしてるんで窮屈そうだ。ほんの数分も経たないうちに脱いでしまい(本人も観客もほっとする)それからはできるだけそのコートが「無くなってしまう」ように努力して置き忘れて見せるのだがなかなかなくならないのだが結局元のレインコート姿に戻って一件落着となる楽しいエピソード入りである。

だが本作の物語はそういう楽しげなものではない。
人気者のマジシャン・サンティーニは彼が出演するナイトクラブのオーナーに秘密を握られ多額の歩合を要求されていたのだ。その秘密とはサンティーニが元ナチス親衛隊員であり多くのユダヤ人を虐殺していた、というものだった。
これはミステリーの動機としてなるほどと頷ける効果的なアイディアだったのかもしれないが彼が言うとおり少年期にあった過去であるとすれば確かに恐ろしいことではあるが彼としてもどうしようもなく忌まわしき過去であり一言で性悪だったと片付けられない重いものがある。
などと書くのは歪んだ見方だろうか。
なんとなくこういう動機づけをしていしまうのはアメリカ映画やドラマでいつもナチスが単純な悪役として登場していたからなのだろうか、とも思えてしまう。おまけにコロンボを演じるピーター・フォークがユダヤ系であることを考えると尚更である。犯人であるサンティーニに「完全犯罪などない。それは幻想にすぎない」といつもより声を荒げているように思えてしまう。

なんだか今回のコロンボは終始苛立っていたようでコートの件にしても彼に絡むウィルソンに対しても気に入らないで結構言葉がきつくなっている。ウィルソンのことは本当に気に入らないんではないかとさえ思えてくるのだが。
サンティーニへの攻撃はいつもより早めでしかも強烈なものである。
単に偶然かもしれないが。

マジックを絡めた楽しげなミステリーでサンティーニを演じるジャック・キャシディが今回もちょっとキザな二枚目ぶりを発揮してくれていたがコロンボはちょいとハードな感じであった。

手首を入れてギロチンを落とすマジックおもちゃ、マジックだと判ってても怖い。

監督:ハーヴェイ・ハート 脚本:マイケル・スローン 出演:ピーター・フォーク ジャック・キャシディ 
1975〜1976年アメリカ


posted by フェイユイ at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 刑事コロンボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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