映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2010年01月26日

『チェンジリング』クリント・イーストウッド

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CHANGELING

イーストウッド監督作品はとにかく判りやすい、ひたすら飽きさせない。恐ろしい社会問題などを取りあげてもあくまで観客が面白く観れるよう娯楽性を失わない姿勢は徹底している。
『チェンジリング』と言うタイトルで子供が可愛くない子と入れ替わるとは判ったし、当時の警察の腐敗を描いているとも聞いたのだがまさかそこから「いつもの」連続猟奇殺人事件につながっていくとは思わなかった。
しかしイーストウッド監督は健全さを失わない。話題は刺激的でも登場する子供達が直接惨たらしい行為を受けたり、残酷な映像をさらけ出すことをしないのは偉いものだ。
物語は極めて迅速に進行していく。場面展開は的確で構成は骨太でラストの処理に至るまで申し分ない。男親の存在しない家族で、母親が行くえ不明になった息子を探し求めるという物語はドラマチックでありながら全く涙を誘わない乾いた質のもので爽快ですらある。

と書くと一体褒めてるのか貶めているのか判らないが、私にとってイーストウッド監督作品はいつも面白くて嫌ではないがそれ以上にのめりこむような世界観ではないのだ。しかし彼は別にそれでいい、と言ってるような気さえする。べたべたと好きだとか言うのではなくがっと観てなるほどと頷いてよし、という実にさっぱりと突き放した感覚でありそれ以上に変な芸術性だとか問題作だとか追求してはいないんだろう。しっかりとした内容でなにか一つのテーマを描き切ればいいという率直なスタイルのアメリカらしい映画なのだ。

本作を観て気になったのは部屋の中が昼間でも暗いこと。夜なら本当に真っ暗である。他の映画では何となくライティングしてしまうせいか部屋の中でもいつも明るいがここでは凄く暗い。それは作品的なイメージなのか、当時の部屋の中はそういうものなのか、その当時のアメリカの生活を知らないので何とも言えないが私が生きている間の昔の日本の家の中も何となく暗かったような気がする。
この暗さがホントっぽく思えたのである。

昨日まで観続けていたコロンボ警部から50年ほど前のロサンジェルス警察がこんなものだったのだなあ、と感慨深いものである。

少し前に日本映画の『休暇』で死刑にされた囚人の体を支える役、というのを知って驚きだったが、これを観る分にはアメリカではやはりそういうことはやっていないのか。どうなんだろう。必要なんだろうか。気になる。

監督:クリント・イーストウッド 出演:アンジェリーナ・ジョリー ジョン・マルコビッチ ジェフリー・ドノヴァン コーム・フィオール ジェイソン・バトラー・ハーナー エイミー・ライアン デニス・オヘア
2008年アメリカ


posted by フェイユイ at 00:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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