映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2010年01月27日

『ナインスゲート』ロマン・ポランスキー

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THE NINTH GATE

ポランスキー監督を最初腐していたのはどこへやら今では立派なポラファンの私だがこの作品もまた面白かったねえ。

『ローズマリーの赤ちゃん』の時に書いたと思うんだけど悪魔の物語ってキリスト教徒以外の日本人からすればあんまり面白くないんだと思う。悪魔っていうのはつまりは同じ宗教での神を信じるから恐ろしいんであって宗教が違えばただの変な奴でしかない。悪魔物語を読んだり観たりする時は頭の中でこれは神に敵対する危ない者だと確認しながら観ていないと恐怖ではなく滑稽にしか思えないので(向こうの人もそう感じてるのか?)結構大変なのである。
作品としては『ローズマリーの赤ちゃん』のほうがシンプルで完成度が高いのではないかとも思えるがあの時不満を感じていた「女性がやたらおどおどしてやだ」っていうのは本作ではすっかり消滅し女性こそが悪魔になっている。いわばローズマリーが悪魔へと成長してしまったのだ。
そして本作では男性のコルソ(ジョニー・デップ)がおどおどとまでしないがかなり苦労しながら悪魔への道を辿っていく。それこそが『ナインスゲート=9つの門』なのかもしれない。
ロマポラの作品に続けて登場する彼の妻でもあるエマニュエル・セニエはここでもその妖しいまでの美しさを披露しコルソを気に入って「悪魔の本」を探す手助けをする。そして最後には彼と交わるのだがつまりこれ悪魔の花嫁ならぬ魔女の花婿になってしまったのだな。あの場面でジョニー演じるコルソが精力を吸い上げられてしまうのではないかと心配してしまった。

とにかく他ではあまり好きになれない悪魔ものだが、本作の描き方は申し分のない面白さでぞくぞくさせてくれた。
悪魔に取りつかれた富豪の男から世界に3冊しかない「悪魔の書」のうち手に入れてない残り2冊を調べて欲しいという依頼を受けたコルソが不審な連続殺人などに怯えながらも探訪の旅に出る。突然現れた謎の美女はどういうわけか常に彼の味方となって助けてくれる。そして信じ難いほどの能力を持っているのだった。
飽きずに観れた要因の一つはコルソを演じたのがジョニー・デップだからというのもありで、ここでの彼は髭と眼鏡が知性を感じさせるスタンダードな二枚目になっている。腕力に乏しいのが心もとないがそこを助けてくれるのが舌足らずな英語を話す美女なのである。
彼女が初めて登場する場面で椅子に座る彼女の脚がアップになったので何やら魔女の印でもあるかと凝視したのだが判らなかった。緑の目というのがもう悪魔的であることを示しているのだろうが。

ただ悪魔の話、というだけでなく悪魔について書かれた古い書物を探すという部分に惹かれる。固い装丁や上等な紙と印刷、描かれた3冊の挿絵の違い、などというミステリーがわくわくするものであってそれ以上に悪魔になる部分がなくても充分楽しませてくれるものだった。

ところでこれも偶然だが昨日観た『ミッドナイトトレイン』の箱の中の宝物こそ悪魔の仕業であったのだろう。どちらもそれが多くの人の死を呼んでしまうのである。
無論「悪魔」というのは単に言葉であってそれが何に姿を変えても「悪魔的な存在」なのだということだ。昨日のそれは「箱の中の何か」であった。
多くの場合は金だったり、権威だったりするというわけで。

本作ではそれを悪魔学という形でおどろおどろしく見せてくれた。やはり「金(カネ)」というんじゃちょっと殺風景過ぎる。
おぞましい思想と乱れた性という危険な描写が映画には必要なのだね。

監督:ロマン・ポランスキー 出演:ジョニー・デップ フランク・ランジェラ レナ・オリン エマニュエル・セニエ ジェームス・ルッソ バーバラ・ジェフォード
1999年 / フランス/スペイン


posted by フェイユイ at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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