映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2010年02月17日

『カムイ外伝』崔洋一

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非常に楽しく一気に観てしまった感じ。なのだが。

最近なんだかこの手の映画を観てると二つの思いが湧いてきてどちらが正しいのか、っていうのはおかしいが自分がどっちに傾いてるのか、傾いたがいいのだか、己のことなのに判らなくなってくる。

っていうのはこの作品もそうなんだけど「いい」と言われたり「よくない」と言われたりしているようだ。自分にとっても特に『カムイ外伝』は幼少のみぎりより恋い慕ってきたカムイを実写化したものなので思い入れは尋常でなくある。その上でも松山ケンイチのカムイはかなり満足いく造形だったのは想像以上であった。
だが、こと映像に関しては二つの思いがこみ上げてくるのだ。
これを単なる時代劇アクション娯楽映画として楽しむならば、上出来の作品だと思う。カムイの置かれた環境「非人」という差別の中で生き抜いていく為に自ら忍びの世界に入りまた抜け忍になるという運命もある意味「箔付け」だとしてもいい。皆で抜け忍ごっこをして遊んでも構わないわけだ。「うぬ」だとか「ヘンイバットウカスミギリ」とか「イズナオトシ」ごっこをしてもいいだろう(ちと危ないが)
けれども自分としてはどこかでもっとマニアックに「なんだこれ」的なほど変な映画にして欲しいという欲望を持ってしまうのだ。
つまり中国映画&ドラマで言えば楽しい武侠アクションもよいが、王家衛の『楽園の瑕』に惹かれてしまう、ということである。
この映画でカムイの生い立ち、差別の苦しみの部分が曖昧になっている為に彼の背負った重荷がよく判らない、という不満を持つ人もいるかもしれない。でも私としては(どうせ知ってるし)そう言う部分は描かずに謎として或いはこの位の曖昧さでいいからそのままもっとわけのわからない映画にして欲しかった気もする。と言ってもそれを作ったらきっと受けは悪いだろうが。
第2弾も予定中のようだが思い切ってそういう方向へ行ってはくれないだろうか。

松山ケンイチは運動神経がよさそうなのでアクションに関しては問題なく素晴らしい。変なCGなど使わずに彼の動きでできる範囲内でやってくれただけの方がよかったのではないかとさえ思える。
逆にあれっと引っかかったのは台詞。というのは松ケンが悪い、というよりマンガを見てるとカムイは非常に無口で話している時もほんのわずか。怒りを持った時も松ケンのように叫んだりせず(だから叫ばせた監督がね)つぶやく、か、心の中で叫んでいるような感じがするのだが。
ま、それこそ思い込みである。

松ケン以外の配役もよかった。小雪さんはぴったりだし、小林薫さんはもっと観ていたかった。色っぽい人である。伊藤英明の不動もかっこよかった。結構悪い人がうまい。

冒頭、白土三平氏の漫画が出てくるのであの素晴らしいマンガを思い出してしまう。あのマンガを忠実にアニメ化してもらうほうが嬉しい気もするのだが。それはそれで無理、だろうな。

監督:崔洋一 出演:松山ケンイチ 小雪 伊藤英明 大後寿々花 イーキン・チェン 金井勇太 芦名星 土屋アンナ イ・ハソン 山本浩司 小林薫
2009年日本


posted by フェイユイ at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 松山ケンイチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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