映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2010年02月26日

『ラフマニノフ ある愛の調べ』パーヴェル・ルンギン

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LILACS

ちょっと前に私が「音楽家映画」に凝った時があってちょうどその頃このDVDが出る頃だったので観ようかな、と思っていたのだがあまりに評価が低いようで(いつも評価が低いと逆に観るのだが)演奏場面が目的なのにあまりそれがないのではなあ、と観るのを止めたのだった。
今回再チャレンジしたのは目的が「音楽」じゃなく「ロシア」なのでロシア人が出てればなんでもいいや、てな理由だった。
何しろロシア映画って作品探すと殆どが戦争映画なんですぜ。それも思い切り右翼的な感じの。おいおい左翼じゃねえのかよ、とかいうつっこみはこの際おいといてとにかく戦争マニア的なタイトルがズラリなのである。例えば『ナチスの墓標〜レニングラード捕虜収容所〜』だとか『PQ-17 -対Uボート海戦』とかな(まだ観てはいない。案外面白いのかな?)(そーゆー私が一番好きなロシア映画が『チェチェン・ウォー』って)次はいかにも名作な感じの堅苦しい奴。泣けそうな奴ね。たまにはいいけど続けて観るのはなあ。こういう軟弱系音楽家映画なんてぜーんぜんないのだ。その中でひときわ異質な本作タイトル『ラフマニノフ ある愛の調べ』なんて。これしかない。借りるっきゃないでしょ。
で観てみた。

どうして評価が低いのかな?って思うほどまともにいい映画だった。
多分そういう評価の方はラフマニノフが好きで詳しい人なのかもしれない。
私は彼の曲も人生もまったく知らなかったのでかなり熱心に観てしまった。彼の奥さんナターシャを演じていたのがちょい前必殺の女性スナイパーをやってたヴィクトリア・トルストガノヴァだったのでいつ撃たれるかとひやひやもんだった。
ああ、こんなちゃちゃばかり言っとらんと。

私自身演奏目的で観てたら評価は低かったかもしれない。何しろここに描かれているのは苦悩するラフマニノフで終始「演奏したくない」「作曲したいのにもう10年間していない」と愚痴ばかりこぼしてる鬱状態の彼の姿でピアノに触れている時間はあんまりないのである。
しかし私はロシア目的なので、亡命したラフマニノフの物語でほぼ舞台がアメリカであるにも拘らず原語はロシア語ばかり。
ロシアにいられず、しかしアメリカの空気では作曲がはかどらないセルゲイの苦悩をハンサムなエフゲニー・ツィガノフが魅力的に演じている。
彼の心を癒してくれるのは祖国ロシアで彼が愛していたライラックの花。そしてライラックの花束をいつも贈ってくれるのは彼を最も愛してくれるその人だった。

セルゲイが愛した貴族の女性、彼を愛した強力なコミュニストの女性、そして従妹であり彼のことだけを一途に愛するナターシャ。
時代背景などを絡ませながら彼と女性の愛情劇で綴っていく。
ひたすらロマンチックで甘いラブ・ストーリーではあるが自分目的としては非常に楽しめた一作だった。

監督:パーヴェル・ルンギン 出演:エフゲニー・ツィガノフ ヴィクトリア・トルストガノヴァ ヴィクトリア・イサコヴァ ミリアム・セホン アレクセイ・コルトネフ
2007年ロシア


posted by フェイユイ at 22:44| Comment(7) | TrackBack(0) | ロシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ロシア映画・・私は以前ロシア映画で観たのは『戦艦ポチョムキン』と『誓いの休暇』だけでした(爆);;バレエでは親しんでいるお国なのに。&
ラフマニノフは一番好きなクラシック作曲家かも。ものすごく手が大きい人だったんですよね。
“泣かせる”タイプかもしれませんが『この道は母へと続く』は生涯で恐らく三本目(笑)のロシア映画。でも今のロシアの現状の一部を描いていて、せつなくも引き込まれる作品でしたよ。
Posted by フラン at 2010年03月04日 22:37
3作とも私が観てないものだ(笑)
『この道は母へと続く』は何度も借りようとしながらまだ観てない・・・でもどうせ作品数が少ないので近々観ることになると思います。
ドイツ映画にはまろうとして半ば挫折してしまったんですがロシア映画の方が相性いいみたいです私。でも何故かどうしても戦争映画などから観てしまうんですよねー。
私のロシア映画はやはり『僕の村は戦場だった』ですね。
Posted by フェイユイ at 2010年03月05日 00:25
おせっかいで言わせて戴けば、『誓いの休暇』は大昔の作品で時代背景とか云々イロイロあるでしょうが何も判らずみても素晴らしい作品と思います。人間のなかにある普遍的なものが描かれていると思います。映像も瑞々しく、どうりで解説を読んだら所謂「スターリン体制」?の雪解け時期の作品らしいのです。名前もアリョーシャとか珍しいしその頃はソ連の町の様子であるとか、女の子がすッッごく可愛くて綺麗で忘れられないのです。長いお下げを編んだり(コレが若かった私がみて一番びっくりしたのですが)ベーコンの塊にぱくつくのですよ嬉しそうに。非常に全てが良く出来た映画で印象的なシーンが一杯。足の悪い男性も素敵だったなとか・・・すいませんあんまりお薦めなんで長々書いてしまいました・フェイユイさん未見だなんて意外で・・^^;
Posted by フラン at 2010年03月05日 10:34
云い忘れました・フェイユイさんにお薦めの理由;“ロードムービー”なのですよ^^
Posted by フラン at 2010年03月05日 10:39
うーん、それは是非観ねばですねえ。凄く好きそうです。
すぐ探したんですがこれがまたレンタルはどこも(っていうか私ができるのは)されてない・・・。DVDにはなってるんですが。でもそれならいつかきっと観れますね。
アリョーシャは私が今夢中のアレクセイの呼び名なのでますます観たいです。

そういえば『ジュリア』も発売されてるのにレンタルなしでした。がーん。絶対観れると思ってたのでショックが大きい。しょぼん。
Posted by フェイユイ at 2010年03月05日 15:48
レンタル無しですか・・『誓い〜』は30年位前にテレビから録画したビデオ持ってます(笑)同じく『ジュリア』も。〜調べたら『ジュリア』はNHKBS2で確か3月15日と4月に放映ありですよ!チャンスですよ!!BS録画が無理となると望みは・・^^;何とかして観ることが出来ないかひとごとながら気を揉んじゃいます。(誰か親しい人に頼むとか?^^;)
突然ですが、昔何かの折にテレビで観た洋画で、題名やデータが判らずいまだに気になっている怪奇映画があるのですが、、、〔オムニバス?かなにかで短編・主人公が最後絵の中へ入ってしまう・途中、気味の悪い妖怪みたいなのが禿山の一夜みたくうじゃうじゃ出て来る〕映画を、フェイユイさんは観た事がありますか?もしくは知っていますか?。。すいません深く映画をみているフェイユイさんなら何か判るかも、と思いお尋ねしました。^^;;
Posted by フラン at 2010年03月05日 21:28
『ジュリア』そうですか。なんとか頑張ってみます!

えへへ、いやあ、そんなにたくさん観てませんて。それにすぐ忘れてしまいますしね。
何だろう、凄く面白そうで私も知りたい。全然判らなくて申し訳ない。
ちょっと違うと思うんですがこの前観たポランスキーの『ナインスゲート』じゃないんですよね?あれもちょっと不気味でしたが。
おかしいですよね私、ちょっと前までポランスキー嫌がってたのに今では凄く好きになってしまって(笑)『ナインスゲート』もぞくぞくする面白さでした。
Posted by フェイユイ at 2010年03月05日 23:21
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