映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2010年03月27日

『パリ・ルーヴル美術館の秘密』ニコラ・フィリベール

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LA VILLE LOUVRE

フランス映画の感想記事はいつも必ず「まったく不思議な」「わけわからん」といった形容ばかり書いてしまって我ながら進歩がないのだが映画のカテゴリがドキュメンタリーになってさすがフランスはフランス。やはりわけのわかんない不思議な作品になるのであった。

というか、一般的にドキュメンタリーというと何かを訴えたいのがテーマとしてあってそれをどのくらい観客にくみ取ってもらえるのか、理解してもらえるかが腕の見せ所であり重要性であったりすると思うのだが本作はただ淡々と美術館の裏方さんの仕事ぶりを見せていくだけでありそれらを説明するのは僅かな言葉のやり取りでしかない。無論掃除してるのや絵を運んでいるのやどの絵を選ぼうかと思考してたり絵の修復をしてるのは見りゃ判るだろうと言われればそれまでだが丁寧に事細かくナレーションなりで説明を聞くのになれている身には随分ぶっきら棒にも思えるのではあるが。観る者はとにかく映像に登場する大勢の裏方たちが何をやってるのかはそれぞれの知識と観察力にまかせるとして観ていくしかないのである。それはちょうど作品中で「一つの部屋にダビデとモナリザを置いておけば観客は何の苦労もせずして満足するかもしれないがここには豊富な美術品があることを何時間も歩き続けて見せねばならないのだ」と言っているように単純な説明で知るだけでなく観ることで受け取っていかねばならないのかもしれない。

とはいえ私は(というかそういう人は多いと思うのだが)仕事をしている人を見るのが大好きだ。
子供の時デパートでケーキやまんじゅうを作っているのやら家の前で畳職人さんが畳を修理してるのを飽きもせず眺めていた。映画でも何かの仕事をしている映画はその過程を見てるのがとても心地いい。
本作はそういうのがどっさり集められているのだから私みたいな「作業フェチ」みたいな人間には堪えられない映像ではないか。
掃除してるのも楽しいしどうやったら運べるのか判らないほどでかい絵画を人間の力で持ち上げているのなんかは感心してしまう。そういう人たちに出す食事を作ってる厨房も忙しくてしかも美味そうでなんか突然体を鍛えている人やら空砲を撃って音響(?)を検査してる人達なんかはちょっと不思議である。
そういう忙しく立ち働く人々の間に歴史的名画がちらちらと見え隠れしている。
建造物の大きさ、所有する美術品と数と共に働く人々の数も半端ではなく自分としてはもう少しこじんまりした美術館がいいなあとも思うのだがやはりこれは行って見てみなければ判らないものなんだろう。自分が一生のうちに行けるとは思えないが。
ドキュメンタリーとは言えフランスらしい心構えの、そして美しい映画であった。
個々の誇りを感じてしまう。

監督:ニコラ・フィリベール
1990年フランス


posted by フェイユイ at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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