映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2010年03月31日

『炎のジプシーブラス 地図にない村から』ラルフ・マルシャレック

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BRASS ON FIRE

『耳に残るは君の歌声』という映画も面白かったし、『ガッジョ・ディーロ』『ジプシー・キャラバン』とどれもロマの生活と音楽を興味深く観てその音楽に聞き惚れた。
本作はこれらの中においても最ものんびりとしてもしかしたら一番本当の生活に近いもののような気がするのだが。
とにかく登場するロマの村人の男たちが本気でその辺の田舎のおっさん的ないでたち言動でどこにでもいそうな人々である。

ドイツ人のヘンリーがルーマニアの地図にも載っていない村に住むロマのオヤジさんイオンと出会い、その音楽に惚れ込んで何度も訪問するうちに世界ツアーを計画する。
出だしは凍った湖に開いた穴から少年がホルンを拾い上げる、というとても美しい映像から始まる。まるでメルヘンのような一場面だがそこから始まる物語はメルヘンというよりとんでもなくどたばたしてる珍道中でおかしくてしょうがないでもやっぱりこれもメルヘンなのかもしれない。
何しろなんもないような凄い田舎に住むおじさんたちが楽器なんかも古い奴を修理しながら使っているような状態で街に住む大勢の人々を歓喜の渦に巻き込んでしまうのだから。
彼らに偶然出会ったと言うのも不思議なことであるがヘンリーと相棒のヘルムートは彼らを世界ツアーに連れ出す。が、他の物語とちょっと違うのは二人が二人とも彼らの村に住む女性(しかも従姉妹)たちと結婚し可愛い子供も生まれて大家族でツアーを始めてしまうのだ。子供にはちゃんとロマの血が受け継がれまだ赤ん坊に近いくせに皆に混じってドラムスティックでリズムをとってる。
ツアーはベルリン、ミラノそして東京へと渡ってくる。原宿で踊ろうとした彼らの前に警察の待ったがかかったが5分間のお許しが出た。なんだかなあ。
とはいえ東京での彼らの音楽も燃え上がり、作品的にも締めくくりであったので非常に素晴らしい演奏だった。この中でも特に力の入った熱い演奏だったのはどうしてなんだろう。などと言わなくてもいいか。
そして彼らは再びのんびりしたルーマニアの片田舎に戻る。美しい田園風景。彼らを迎えたのは冒頭、湖でホルンを拾った少年。村の楽器修理のおじさんに使えないほど壊れていたホルンを直してもらったのだ。
物凄く高価な楽器でなくても心底音楽に浸っている彼らの生活とのんびりした村の風景に今日も慌ただしく過ごした自分は憧れてしまうのである。

監督:ラルフ・マルシャレック 出演:ファンファーレ・チォカリーア
2002年ドイツ


ラベル:ロマ 音楽
posted by フェイユイ at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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