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2010年04月05日

『U・ボート ディレクターズ・カット』ウォルフガング・ペーターゼン

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DAS BOOT

こんな面白い映画観たことないぞ!っていうくらい面白かった。
って、この台詞結構多用してて価値薄くなってるかもしれないけどホントにめちゃ面白かった。

戦争映画で「面白かった」っていうのは何故か後ろめたいというのか、本来ならもっと真摯な態度で拝観しなければならないような、そして真面目に論じなければならないような抑圧があったりするものだが、とにかくこの映画で感じるのは「面白い」という感覚であって無論そこに戦争だからこそあり得る緊張感を前提にしているからこその面白さなんだろう。
だからと言って自分がこの艦に乗り込みたいかと問われればそれはもう絶対拒否する恐ろしさなのである。映画で疑似体験するだけに留めたい。もしいい気になって乗り込んだりしたら中でヴェルナーが言った「自分を極限状態に置いてみたかった。母親も誰も頼る人もいない現実を体験したかった。それが今だ」と言うことになってしまいそうだ。

潜水艦という状態で閉じられた狭い鉄の筒の中に男たちがぎゅうぎゅう詰めになって飯を食っては排泄しベッドは交代という毎日を繰り返していく。こんなに食事場面が多い戦争映画もあんまりないような気がする。とにかくすることが他にない。唯一の楽しみはレコードをかけることくらい。その中で特に艦長がかけさせた「ティペラリーソング」はなにせ敵国であるイギリスの歌というのがとても愉快でこの歌が流れる二つの箇所を好きな場面に選ぶ人も多いようだ。
潜水艦の戦争と言うのは敵が見えない。どこに相手がいるんだかもよくはわからない。映像としてはつまり敵を映さなくてもすむ。描かれるのは艦内にうごめいている男たちだけに絞り込まれるので必然締まった物語になりやすいのかもしれない。本作は特に映像をあちこちに移さず艦長達の目線に集約しているのが効果的だ。
狭い艦内を行ったり来たりする兵士たち。なんとか通れるだけの幅しかないその通路ではあちこち食事をしたりしてるのを乗り越えて走り回る。
艦長がかっこよくてたまらない。ユルゲン・プロフノウ。自分が観てた映画にも多々出演してるのに意識してなかった。悔しい。
男らしさが溢れる彼だが、嵐の中で水面に浮上して進む潜水艦の上で叫びながら突進していく様はややおかしくもあっていやそこが素敵だった。彼の信頼を得ていたのに恐怖で突然切れてしまい艦長を失望させ再び活躍してお褒めの言葉をもらう「幽霊のヨハン」も忘れ難い。一体なんなんだろう、このキャラクターって。でも確かに潜水艦の中にはこういう乗組員が一人はいそうだ。そのくらい劣悪な環境なのだ。
そう、もう敵はイギリスだけじゃない。この恐ろしい環境がすでに敵で彼らをじわじわと圧迫してくる。
敵から逃れるため艦長の命令で潜水艦は深く沈み込んでいく。あちこちでうめき声のように艦がきしみだす。ぞっとする音だ。ぎぎぎぎ、という音を聞きながら若い兵士たちはいや何度も体験してきたはずの者ですら死の恐怖を感じる。さらに艦長が艦を潜航させるとボルトが飛び、水が物凄い勢いで入り込んでくる。この恐怖を彼らは何度も何度も味わわなくてはならない。
そして艦長でさえその成功を確信することはできなかった、難攻不落のジブラルタル海峡を渡れという軍部からの命令。艦長は果敢に挑んだが艦は攻撃を受け浮上することができず、280メートルという深さに落ち込んだ。様々な機器が破壊されどうすることもできない。

しかしここからが凄まじく、ドイツ魂というのか根性というのかいや他の誰でもこの危機にならここまで頑張れるのか、判らないがそれでも何とかして機械を修理してしまうのはさすがドイツ人、と言っていいんだろうか。不屈の魂、辛抱強く最後まで諦めない粘りにあっぱれと言いたい(って何故こんな古臭い言い方になるんだろ)めげずに頑張った幽霊ヨハンも偉い。
もう観てるだけでへとへとになりそうで、映画とは言えこの作業にずっとかかりきっていた彼らはさぞへたばったことだろう。

しかし緊迫して場面でも食べ物があちこち登場。緊急事態なのにぶら下げられたバナナが揺れているのが笑える。ソーセージを咥えながら走る兵士がいたり。
結構笑える場面が配置され、その為より緊迫した状態を感じさせられる。そして最後は、喜びに沸いた彼らもあっという間の攻撃にさらされる。そうした皮肉な結末がこの映画作品の最後として優れていた、と私は思う。

監督:ウォルフガング・ペーターゼン  出演:ユルゲン・プロホノフ ヘルベルト・グレーネマイヤー クラウス・ベンネマン ヘルベルト・グリューネマイヤー ベルント・タウバー マルチン・ゼメルロッゲ
1997年 / ドイツ


ラベル:戦争 
posted by フェイユイ at 22:11| Comment(1) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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Posted by 千夏 at 2012年09月17日 12:38
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