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2010年06月01日

『ハートブルー』キャスリン・ビグロー

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POINT BREAK

あらゆる場面が殺伐としてあらゆる台詞が口汚い、いかにもアメリカ映画らしいガサツさでできているが、こういう掴みどころがなく取り留めない展開というのは却って米映画にしては珍しいのか。

『ダークナイト』を思い起こさせるのは変なお面を被った銀行強盗場面が凄まじいだけではなく、リーダーのボーディが特殊な人生の哲学を持っていてFBIである主人公ジョニーまでもその魅力に洗脳されてしまうからだろうか。
ま、私は『ダークナイト』が嫌いな奴なのだが、むしろジョーカーより本作のボーディをお勧めしたい。何しろ菩薩(ボーディサットヴァ)からついたボーディである。今人気の『聖☆おにいさん』みたいである。水には強いが。且つ修行中の身ではあるが。

アメリカ映画というのは大体において簡潔明瞭でそこがいい所でもあるし、物足りなくもあるのだが、この映画はなんとなくぐだぐだ感があってよく判るような判らんような気持になってしまう。
物凄く大切なことを訴えたいようでいて何か奥歯に物が挟まったままで終わったような気がするのだ。無論これを好きと思う人もいるのだから伝えていることはいるんだろうけど。
まず疑問なのは女の子の使い方だ。しかもこの監督は女性、言わずと知れたキャスリン・ビグローさんだが、監督が女性でありながらまるで男性が作ったような女性の扱いではないか。なんとなく出てきて主人公とのラブシーンを入れる為だけの役でしかも主人公に都合のいい展開。この女性との関係なんかを描く時間でもっとボーディとの関係を深く描き出して欲しかった。
ジョニーという男こそ菩薩(ボーディサットヴァ)によって覚醒させられていくわけで、その為のこのあだ名であるだろう。ジョニーが女性も仕事もすべて必要でなくなりボーディのような生き方に目覚めてしまう過程を突きつめて欲しかったのである。

ボーディは恋敵であるはずのジョニーを一目見て自分と同じ生き方をする男だと見抜き、そしてジョニーは彼が誘導するのに従ってサーフィンもスカイダイビングも怖れなくなりその快感に酔いしれていく。
逮捕される直前でありながらただサーフィンをしたいと頼むボーディの心をジョニーは理解しきっている。その快感がどんなに強烈なものか。
世の中のつまらない生き方を止めスリルを持って生きることこそがすべてだという意志を持つボーディにジョニーは同化してしまったのだ。

そういう志向であると思うのだが、この描き方ではいまいちくすぶって終わった感が拭えない。
もっとジョニーがボーディに耽溺していく様を描写してくれたなら。
この感覚ってビートニクな感じもするのだが、どうだろう。
近い内、映画化される『路上』ではこんな関係が観れるかもしれないし、違うかもしれない。サル・パラダイスとディーン・モリアーティがどんな風に描かれるのかな(って全然関係ない話で終わってしまった)

あ、私には「サーフィン」と言えば『ビッグウェンズディ』だが、彼の映画のサーファー3人仲間の一人がゲイリー・ビジー、本作のベテラン刑事役、だった。だもんで彼の顔を見ただけでサーフィンな感じが蘇ってくる。

あ、キアヌーが若くてハンサムだった。

監督:キャスリン・ビグロー 出演:キアヌ・リーブス ジェームズ・レグロス パトリック・スウェイジ ロリ・ペティ トム・サイズモア ゲイリー・ビジー
1991年アメリカ


ラベル:友情 哲学
posted by フェイユイ at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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