映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2010年06月16日

『ユメノ銀河』石井聰亙

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多分この映画で初めて浅野忠信を観て「こんな綺麗な人がいるんだ」と凄い衝撃を受けたのを覚えている。今観るととても若くて確かに綺麗だけど、もう少し年をとった方がもっと綺麗になってる気もする。とはいえ、ほぼイメージが変わらず今に至っている、と思えるのはやはりこの顔が好きなんだろうなあ。今の方が年をとった分面白みが出てて魅力的だが、この作品の彼は本当にミステリアスで美しい。

映像も音声もわざと荒くして本当に昔を思い出しているようだ。
古い型のバス、バスに乗って切符を切る女性の車掌さん、そんな彼女たちに高圧的な態度の運転士。車掌に憧れていたトミ子は失望する。
そんな時別の会社で同じく車掌の仕事をしている友人ツヤ子が死亡した知らせが届く。そして彼女から届いた手紙には彼女の婚約者であり運転士である青年・新高が彼女を殺そうとしている、と書かれていたのだった。
また女性車掌達の間では「新高と言う男は恋人に飽きたら殺して、次の獲物を探す」という噂が広まっていた。
その新高がトミ子の勤務するバス会社に転任し、トミ子と組んで働くことになる。トミ子は新高を怖れながらも次第に惹かれていくのだった。
ついに正体の判らない青年・新高とそんな謎の男に騙されまいとしながら恋してしまう娘トミ子。
物語は女性の少女期における不安定で微妙な心理を表現しているようだ。揺れ動き傷つきながらもしたたかに生き延びてしまう女の強さも描かれていく。
新高を演じる浅野忠信の謎めいた切れ長の目が印象的だ。繊細な指は確かに少女が恋する男性に相応しい。

夢野久作原作である。
バスの乗客として嶋田久作が最後に瞬間登場する。こちらも謎めいている。

監督:石井聰亙 出演:小嶺麗奈 浅野忠信 京野ことみ 黒谷友香 真野きりな 松尾れい子 嶋田久作
1997年日本
posted by フェイユイ at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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