映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2006年10月05日

「ニュー・ワールド」テレンス・マリック

ニュー・ワールド.jpgニュー・ワールド2.jpg

・・・静かな感動を覚える映画だった。

正直途中までは「これは単に白人の男に都合よく利用された未開の地の女って話じゃないだろうな」と危ぶんで観ていたものだ。
若く美しく気品に溢れ明るい表情を持つポカホンタスに心惹かれたスミス大尉は突然怖気づいて自分は死んだということにして彼女から離れていく。虫のいい言い訳のように思えたのだ。
新たに彼女を愛する男ロルフが登場したもののポカホンタス=レベッカの心はスミスを離れず彼の生存を知り再会する。
だがスミスと再び会うことでポカホンタスが共に歩んでいける夫はロルフだと知るラストまでの過程は決して胸踊るような華やかな展開ではないのだけれど一人の少女が男と出会い結婚し母となる成長を穏やかな眼差しで見ている心地よさがあった。

ネイティブ・アメリカンの少女ポカホンタスを演じたクオリアンカ・キルヒャーの新鮮な美しさが印象的だ。何という眼差し。スミスとロルフの二人がその自然な愛らしさに惹かれるのは当然のことだと思える。
だが自然の中にいた彼女を愛したスミスが彼女をそこから出してしまう羽目になったのが間違いだったのだろう(無論彼自身はそれを望んでなかったのだが)
それに比べロルフはありのままの彼女、レベッカとなったポカホンタスを愛したのだから分がいいに決まっている。

スミスとポカホンタスが愛し合う場面は神話のように美しい。互いを「自由の翼」「愛の光」と呼び合った二人は彼ら自身の真実を感じている。
遠くに走る稲光が彼らの運命を表しているのだろうか。

コリン・ファレルが演じたスミスは過酷な運命をあえて辿っているようだ。それは同じくコリン・ファレルの「アレキサンダー」にも似通っているように思える。
どちらも叶うあてもない未知の世界への挑戦を続けた男たちである。挑戦の結果は空しく、周囲の人々の目が冷たく注がれている。
ポカホンタスという女性の人生に感銘を受けると共にスミスの「自由の翼」と呼ばれた魂にも感じるものがあった。

ポカホンタスを見守っていく同じくネイティブ・アメリカンの男をウェス・ステューディ が演じている。彼は映画「ジェロニモ」の勇敢な戦士ジェロニモ役で忘れられない存在であった。ここでも彩られた顔の中にその精悍な表情を覗かせている。

監督:テレンス・マリック  出演:コリン・ファレル 、クオリアンカ・キルヒャー 、クリストファー・プラマー 、クリスチャン・ベイル 、オーガスト・シェレンバーグ 、ウェス・ステューディ
2005年アメリカ


posted by フェイユイ at 23:55| Comment(2) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
何か読んでたら見てみたくなってきた。
Posted by fince at 2006年10月06日 20:59
うれしいですね!そう言われちゃうと!

結構評価が分かれる作品のようです。感覚の問題だと思うんですが。
Posted by フェイユイ at 2006年10月06日 23:30
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