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2006年11月02日

「ブラディ・サンデー」ポール・グリーングラス

ブラディ・サンデー.jpg

1972年、北アイルランド・デリーで起きた「血の日曜日」事件をまさに再現した映画である。
殆どドキュメンタリーかと思えるような緊迫した映像である。これが72年に起きた事件であり、その30年後にイギリス人の監督によって映画として撮影されたのだとは信じ難い。(この映画を作ろうと考えた二人はイギリス人・グリーングラス監督と製作者の一人マーク・レッドヘッドなのだ)

それはポール・グリーングラス監督の並外れた技量なのだと言うしかないが、ハンディカメラによってぶれる画面、音楽がない為に撮影したばかりの映像を観ているかのような錯覚に陥ってしまうのであろう。

「血の日曜日」はアイルランド人にとっては忘れられない記憶なのに対しイギリス人には(その事件の当事者であるにも関わらず)あまり語られてないと言う。英国人である監督はその歴史を互いの国民にとって認められる映画として作りたかったのだと言う。

下院議員のアイバン・クーパーを筆頭にしてカソリック系住民は「裁判なしの拘禁(インターンメント/その頃アイルランドでは警察が裁判なしに容疑者を捕らえ何年でも拘禁できたのだ)」に抗議し人権と差別を訴える為にデモ行進を行う。それはあくまでも平和的に行うべきだとクーパー議員はやっきになって人々に訴え、デモを阻止しようとする英国側にも伝えていた。
が、行進する一部の若者達が起こした行動が英国側の抑えきれないでいた攻撃性を触発してしまう。
催涙ガスがゴム弾にそしていつしか実弾が次々と丸腰の人々に襲い掛かるのだ。その映像は凄まじい恐怖に満ちている。
まるで自分がその場にいて逃げ場もなく銃口に狙われているかのようだ。
抵抗する術もなく的にされどくどくと血を流して死んでいく人々。なんということだろう。

映像はアイルランド側だけではなく英国軍の内部の状況も伝えている。この映画によって互いの国が理解し合い互いの伝統を守っていければと製作者達は語っている。
このような事件は多くの場所で今も起きているのではないか。ここで語られている思いを皆が持つことができればと願う。

最後にU2ボノが「Sunday Bloody Sunday」をバラードとして歌っている。これも屋外で歌っている音であり心に強く響いてくる。

監督、脚本:ポール・グリーングラス 出演:ジェームズ ネスビット ニコラス・ファレル ティム・ピゴット=スミス ジェラルド・マクソーリー キャシー・キエラ・クラーク
2002年 アイルランド/イギリス

グリーングラス監督は「ユナイテッド93」の監督でもあるが、是非観てみたいと思う。

さらに「ボーン・スプレマシー」も作っているが、作品に関しての私の評は「前作より(「ボーン・アイデンティティ」(別監督)のことです)かなりハードタッチになったアクション見ごたえありました」である。なんだかな。もう一度観よう(観るけど)

さらに関係ないが私の乏しい北アイルランド知識は昔読んだベルファストのカソリック系の少年とプロテスタントの少女のラブストーリー(タイトルは忘れた)からだった(それしかないっていう気もするが)
子沢山の貧しい少年と裕福な少女が多くの障害を乗り越えていく話で可愛らしくもあり面白く読んだ記憶がある。ここでも主人公クーパー議員はプロテスタント、恋人がカソリックということでやはり衝突している。数多くの問題があるものだ。


posted by フェイユイ at 22:25| Comment(0) | TrackBack(1) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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