もはやゲイ・ムービーの古典ともいうべき作品です。
これを観た当時、小説や少女マンガで知ったパブリックスクールでの若者達の愛の物語をこんなに美しく映像化できるなんて、と驚きました。
ガイ・ベネットを演じたルパート・エベレットは後に自らゲイであることをカミングアウトしました。
が、この時はまだ知る由もなく規律の厳しい学校内の権力争いに苦しみながらも男性を愛し続けるガイを演じる姿に感心したものです。
とはいえ私が好きだったのはガイの友人役を演じたコリン・ファースでした。上流階級のためのパブリックスクールで学びながらも共産主義に傾倒しているトミー・ジャドを演じる彼は今観直してもその端正で知的な横顔に見惚れてしまいます。
共産主義を表した破れた服。マルクスの「資本論」を読み、レーニン像を常に携える彼。クラスメートへの辛辣な物言いも若者らしくとんがっていて素敵なのでした。
(そしてコリンのしぐさ。本を読んだりメガネをはずしたり腕を組んだりといったさりげないしぐさがなんとも言えず綺麗なのです。シーツを畳む時ヘリをちょっとくわえるのも可愛かったですね。そして親友ガイの突飛な行動や言葉に苦笑するのがまたよいのでした)
この作品はもともと舞台なのを映画化したものなので登場人物が対立して討論するという形が多いのですがそれも閉じられた学校の雰囲気が出ています。
ガイは包容力のある親友のジャドでさえ同性愛には結局理解がないのだから世の中には認めてもらえないのだ、と苦悩します。現在のイギリスは随分オープンになっているようでまた驚きますがこの映画の頃はまだまだ圧力が大きかったことが伺えます。
オープンになってきたのはごく最近の事なのでしょうか、よく判りませんが。と言ってもこの映画の中でも主人公ガイと肉体関係を持った学生は結構いたように言ってるし、父親なら何をしてるかわかるだろう、と言うセリフでそういう行為が伝統的に隠れながら行われていた事を匂わせています。
エリートの道を捨てスパイとなりロシアに亡命した実在の人物ベネットに女性インタビュアーがその理由を聞く、という形式でこの物語は進みます。
スパイ活動の話はなくパブリックスクールでの彼の苦悩する若き日に焦点を絞ったこの作品は青春の物語として優れた作品の一つでしょう。
監督:マレク・カニエフスカ 製作:アラン・マーシャル 出演:ルパート・エベレット、コリン・ファース、ケーリー・エルウィズ
1984年イギリス
これを観る前は私にとって「アナザー・カントリー」といえばアメリカ小説ジェームズ・ボールドウィンの「アナザー・カントリー」でしたね。こちらもゲイの小説で私の好みの世界といえばむしろこちらの「アナザー・カントリー」なのですが(黒人・白人・アメリカ北部南部・フランス人などの男女が交錯するゲイ小説ですが今、読むことはできるのだろうか?)当時は二つの「アナザー・カントリー」に挟まれ幸せでした(笑)(中身はどちらも苦悩してんのに)
余談でした。
追記:余談の余談。
ジェームズ・ボールドウィンの「アナザーカントリー」で検索しても何も出てこないんだけど(困)こんな記事が→ジェイクの愛読書!
ジェイク・ギレンホールはJ・ボールドウィンの「アナザー・カントリー」を愛読してたのか!急にジェイクのファンに(笑)いやあ、同志がいてうれしい。素晴らしい小説ですよね(ジェイクに話しかけた)あの中ではあなたは誰をやりますか?
(全然違う話題になってしまった)






私、この映画は観たいと思いつつ未見なのですが、ボールドウィンの小説のほうは読みました。
その記事をTBさせて下さい。
この小説、ジェイクの愛読書と知るまで全く知らなかったのですが、かなりのめりこんで読みました。
ちなみに、この本は今残念ながら絶版となっており、私は図書館で借りて読んだあと、ネット古書店で購入しました。
映画のほうも、近々絶対観ますね!ではでは。
なた観なおしたくなっちゃた。
「アナザー・カントリー」は私が同性愛ムービーのビデオを購入した初めての映画です!ルパートの大ファンだったんですよ!当時高校生の私は彼の嫁になるとまで思い込んでましたから!当時は16000円ぐらい出して購入したのを覚えています。ビデオデッキ持ってなかったんですよ(笑)いつか見ようと思ってお小遣い必死で貯めたこと懐かしく思い出しました。同性愛への厳しさをまざまざと見せられた映画でしたね…でも映像がきれいで優雅でいまでもなんだか原点に戻るときに見ようと思う映画です。
結構日本では同性愛ブームの橋がけ的映画ではなかったですか?(知識不足なのでまちがってたらごめんなさい)
ボールドウィンの小説は知らなかったですね…読めるのなら読みたいですね…ジェイクも愛読しているなら尚更ですね(笑)
これはもう是非是非観て下さい!私は昔買った古い映像で見ましたが、今は綺麗な画像と音で見れるようです。
TBありがとうございます。
J・ボールドウィンについて素晴らしい記事を書かれていたのですね(しかもジェイクについても!)
私も別室小部屋で少しだけ書いてたんですが読み返したらあまりにもおざなりなんでもう一度ちゃんと書こうと自分に誓っているところでした(笑)
昔はバイブルの如く読んでいたのですが最近はページも開いてなかったのでもう一度読み直しているところです。
>さちさん
観たくなったでしょー(笑)
先にも書きましたがデジタル・ニューマスター仕様が出てますので綺麗な映像で観れますね。私はいかにも昔的な画面で観ましたが。
久し振りにコリン・ファースに心酔しました。
16000円!(これに一番反応するわ、貧乏で(笑))高校生なのに!凄い!
ビデオは高かったですねー(-_-;)今はいい時代になりました。
とにかく美しい映像で、少女の心を満たしてくれる映画です。
今となっては希少価値ですね。
J・ボールドウィンの「アナザーカントリー」(「もう一つの国」という日本語タイトルですが)手に入れにくいのが残念です。私の本もボロボロです。
真紅さんの言われるとおり図書館&古本屋に当たるしかないですねー。読んで見る価値ありだと思います。
私が見たのもビデオで、暗い画像で観にくかった覚えが。新しいのレンタルしてみます。
「近々絶対」が一年後になってしまいましたが、なんとか無事鑑賞し記事をアップすることができました。
苦節一年(笑)。TBさせていただきます。
もう、「『アナ・カン』観てるんだ・・」と思ったらそれだけで胸がいっぱいでございました!
ではでは〜。
ちょうど一年前に私も観てるわけですがこういう秋の日にしんみり観るのがピッタリな映画ではないでしょうか(笑)
予想していた世界でしたが、正直な所もう別世界だな〜というのが素直な感想です。英国には厳然と現在も階級が存在しているのでしょうね。結構きゅうくつかも・・?;
ガイの恋人との逢瀬の場面がよかった。二人で小船で抱き合ったりして愛らしい。初めてのデートの豪華なことっ!。シャンパンあけつつガイったら耳の上に蘭の花挿してる!し正統派クラシックホテルのレストランをバックに勿論の美貌で美しい衣装の二人が切なく見詰め合う・・いや〜すごかった^^;正にキラキラだった。若いということは美しきなり。容貌だけでなく全てにおいて輝いているのでしょうね〜何をしても。。^^
そしてまた『情愛と友情』という映画で当時を彷彿とさせてくれるのか、そうでもないのか。マシュー・グードの顔立ちが(似てるわけではないですが)ルパートと重なる感じもあって期待してしまいます。
老人となったガイが当時を思い出す、という映画でした。若い頃、というのはそれだけでも輝いているのですね。色んな意味でセンチメンタルになってしまう作品です。