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2006年12月20日

「時計じかけのオレンジ」スタンリー・キューブリック

オレンジ.jpg

最初観たのがいつだったか覚えてないんだけど、とにかくこういう世界がかっこいいと思いましたねー。
アレックスを演じるマルコム・マクダウェルの可愛いこと。片目だけのつけまつ毛も真っ白でぴったりした服に気になる局所。黒い帽子。袖にくっついた目玉の飾り。憎ったらしい眼差し。ぎょろりとした青い目。団子鼻みたいなのにすごく魅力的な顔立ちなのですよ。いつも不満そうな唇もかわいい。
近未来のSFという映画なんだけどなぜかイギリスの近未来って逆に古臭いデザインにしちゃうところがおかしいの。ファッションなんかも。時々いかにも未来を意識したところもあるんだけど妙に古い感じに仕上げてしまうのが好きなんですよね。
ところでこういう映画でいつも思うのはマルコムは大好きで彼がぴったりとは思うんだけど実際の主人公の年齢って15歳くらいなんですよね。マルコムは20代後半なわけで若くは見えるんだけどね。つまりマルコム=アレックスが変な飲み物飲んでても次々と女とHしても(レイプはいけませんが)問題はないわけで。15歳の少年がホームレスのオヤジを叩きのめしたり嘘をついて他人の家に入り込みその家の主人を半身不随にしたり奥さんを強姦して殺したり、と怖ろしいことを「仕事」とか言ってやっている。子供だからちゃんとパパとママがいる家に帰って学校にも行かなきゃいけない(行ってないけど)っていうのが怖いわけですね。
そういう意味では15歳の子供を使わないと面白くないんだけど15歳の子供じゃ27歳のマルコムの魅力はないわけで、難しいものです。
とは言え、勿論マルコムを使ったが絶対いいとは思っております。

製作当時は衝撃的だったが今ではまったく、なんていう人もおられますが、こんなにシンプルでインパクトのある作品はこの後にもそう作られてはいない、と感じます。
アレックスだけをずっと映している感覚がいいですね。
アレックスが捕まって早く出所したいためにいい子ぶりっ子してるところも可愛い。
殺人罪で投獄されたアレックスが14年の刑期から逃れたく政府が考案した悪人を善人にするという「ルドヴィコ療法」の人体実験に自ら志願する。それで成功すればすぐに出所となるというのだ。その治療とは、注射や投薬をされた後、クリップで目を見開かされ絶対閉じない状態にされて映画を観続けるというものだ。それらはアレックスが今まで好んでやってきたレイプや暴力などの映像なのだが、それを観ているうちに吐き気がしてくるのだった。特にアレックスが信奉しているベートーベンの第9が暴力シーンとともに流れた時、彼は気が狂いそうになる。
この時の治療法で目をクリップで留めるのが痛そうで痛そうで。他のどの映画にもこんなに気持ちの悪いシーンはない。目関係は苦手なのだ。

この映画では音楽が大変重要な要素になっているがアレックスが好きなベートーベン、威風堂々などのクラシックとアレックスが夫婦を襲った時に歌う「雨に唄えば」が印象的である。
そしてアレックスによって車椅子の生活になった男が再びアレックスの「雨に唄えば」を聞いて正気を失ってしまう表情が凄い。この表情にその後の劇画なんかが大きく影響を受けている気がする。

一旦は治療の為に暴力を連想だけで吐きそうになるアレックスであった。が、ベートーベンを聞かされ自殺しようとして一命をとりとめ治療の間に元のアレックスに戻ってしまう。高らかに鳴り響くベートーベンを聞きながら女性とのセックスシーンを想像する。アレックスは「完璧に治ったね」とにやりと笑う。

数々の衝撃作を作ったキューブリックだけどこの映画は特別に神経がざわつく作品なのである。
ナッドサット言葉も使いたくなる。ガリバーが痛い。スパチカ寝んねだ。ライティ・ライト?

監督:スタンリー・キューブリック 出演:マルコム・マクダウェル、パトリック・マギー、マイケル・ベイツ
1971年イギリス


posted by フェイユイ at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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