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2007年04月06日

「チャドルと生きる」ジャファル・パナヒ

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イランでの女性達がどのような立場にいてどう生きていかねばならないのか。
僅か90分という短い時間で幾人かの女性の姿を追いながら問題を提示している。
そして単なる批判映画ということではなくそれらのエピソードを織り込んで作りこまれ円となってつながっていく美しい作品に仕上がっているのだ。

赤ちゃんの誕生という喜ばしい時に娘が生んだのが男の子ではなく女の子だったということで失望し娘が離縁されると心配する母親。
仮釈放のため、警察から逃れ身を隠す3人の女たち。バスに乗ろうとしても女一人では切符も買えないのだ。身分証明がなければ。
表で煙草を吸うのも咎められるし、チャドル(黒っぽいベール)の着用を義務付けられる場所もある。
男達の言葉遣いや態度は常に女性差別を感じさせる。

ヴェネツィア映画祭で金獅子賞を取りながら自国では上映されないという事実。それはここに描かれた女性が決して褒め称えられる存在でなく暗の部分であるからなのだろう。そういう女性達は必ずいるはずなのに。

という本作自体の質の高さと女性差別への不満は確かではあるが、無知を承知で思ったことを言えば、他の女性達の様子も観てみたい。
イランという国がこの映画だけで説明されてしまうわけでもないだろう、と思ってしまうからだ。
アメリカでも日本でも差別的なものは存在する。無論それを皆改善しようと訴えていくわけだけど。
イランの女性達も楽しい事はやってるに違いない。そこらを映画にする方がよほど大変な事かもしれない,という気もする。

実際離縁はされないが、女の子しか生めなかったといって悲観してる知り合いもいるし、外で女性が煙草を吸うのはあまり見かけない。多分私の住むとこが田舎だからだろうけど。
あんまり奇抜なかっこうもできないし。
だからと言ってそれでも生きているし。こんなこと言ってちゃこの映画の主旨がわかってないと言うことになるんだろけど。

シスヨルダンの「生きながら火に焼かれて」のような恐ろしい差別には絶句するしかないが。一体どうなったらあそこまで惨たらしい状況になるのか。想像が及ばない。

この映画がよくできているからこそ余計思うんだけど、もっと知りたい、のである。
そういえばイスラム圏のどの国がどんな風なのかとか全く知らない。イランと他西アジア諸国とはまた違うのだろうし。人の区別もつけてないし・・・。困ったものだ。

とりあえずはこの映画を出発にして西アジア諸国映画を観ていきたいものである。

監督:ジャファル・パナヒ 出演:フレシテ・ザドル・オラファイ、マルヤム・パルウィン・アルマニ、ナルゲス・マミザデー、
エルハム・サボクタニ、モニル・アラブ、ファテメ・ナギヤウィ、モジュガン・ファラマジ
2000年イラン

カテゴリに新しく西アジアを加えた。中東、とも言われるがそういわれると地理がよく判らなくなる。西洋側の呼び方なんだろうがね。

他のイラン映画など観たいのだけど圧倒的に子供映画が多くて困る。大人の女性を登場させること自体、無理みたいなのだ。
子供映画で感動させられるのは苦手なんだよね。


ラベル:女性 イラン映画
posted by フェイユイ at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 西アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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