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2007年05月09日

「タクシー・ドライバー」マーティン・スコセッシ

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ロバート・デ・ニーロではなくジョディ・フォスターを見たいと思っての鑑賞だったが。

普通のタクシー・ドライバーが突然サイコ野郎に変身し、とんでもない事をしでかす。
という映画だと思っていた。というのは昔観たと思うのに、記憶がもうなくて他から得たイメージだけで考えていたから。
まさかこんなに真面目な男の物語だとは思っていなかった。

お目当てのジョディ・フォスターも12歳の売春婦ということで当時衝撃的であったというが設定だけであって特に驚くようなシーンがあるわけではない。
トラヴィスはそんな彼女・アイリスを正しい道に戻そうとして懸命に説教する。
その後、トラヴィスは少女売春の斡旋者たちを射殺するのだ。こんな奴らは射殺されて当然である。
アイリスは親元に帰され通学を始め、トラヴィスは彼女の両親からは感謝される。

それまでの彼は勤勉なタクシードライバーではあったが、好きな女性にはふられ、大統領候補暗殺を企てては失敗し、仕事にも街にも住人にも不満を持っていたのだが、アイリスを救った後は表情も変わり仕事に復帰し、ふられた女性にも落ち着いて話せるようになる。

ベトナム戦争帰還者の苦しみ(鬱症状・不眠症になる)を抱えた若者の行き場のない怒りをむしろ静かに描いている。
何と言っても体を鍛え、銃を購入し、細工して体に装着させていく様が印象的なのでその部分だけが取り上げられるために怖ろしい物語であるようなイメージがあるのだろう。
暗殺計画は確かに常軌を逸したものではあるが、モヒカン頭にすることでむしろ目立ちすぎ、自ら失敗を促しているのだ。普通に考えれば普通の姿、普通の行動をすればよかったはずなので。

ニュー・ヨークの夜景とバーナード・ハーマンの音楽もまたこの映画を印象付けるのに大きく関わっている。
全体に沈鬱な雰囲気が重くたちこめ、ますますトラヴィスを異常者のように思わせるがむしろ愚直な若者なのではないだろうか。

ジョディ・フォスター演じるアイリスが急にではなく少しずつトラヴィスの前に現れてくるのが面白かった。
12歳の売春婦、とはいっても作品中にヌードだの行為だのが出てくるわけではない。当時の映画には出せないものだったのか。スコセッシ監督が大変モラリストであったのか。

トラヴィスが憧れの女性をポルノ映画に誘ってしまうというとんでもないポカをやってしまったのも愚直さゆえの失敗だろう。

監督:マーティン・スコセッシ 出演:ロバート・デ・ニーロ , シビル・シェパード , ピーター・ボイル , ジョディ・フォスター , アルバート・ブルックス , ハーヴェイ・カイテル
1976年アメリカ


ラベル:暴力
posted by フェイユイ at 21:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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