映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2007年05月11日

「ブルー・ベルベット」デヴィッド・リンチ

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仕事に追われた一日の夜にこの映画の感想など書くのは無理(そうでなくとも無理)なのだが、出来るだけ書いてみよう。途中で寝るかも。

デヴィッド・リンチが好きなどと思ってた割には最近までこの「ブルー・ベルベット」から「ストレイトストーリー」までを観ていなかった(ツインピークスシリーズは除くとして)のだからトンでもないファンである。つまり「砂の惑星」で離れてしまい「マルホランドドライブ」でやっぱり好きだわ、と思いなおしたわけである。というか90年代、映画から遠ざかっていたのでしょうがないとも言えるのだが。
「砂の惑星」に関しては当時原作小説に惚れこんでいたのでがっくりしたのだ。スティングだけはちょっと惹かれたが。

それにしてもこの「ブルー・ベルベット」をたとえどう思ったにしても観てればよかった。
リンチ作品はいつでも賛否が激しいのだが、本作もその例外ではないだろうな。どれを観ても変わった奴ばかり、行動も性的嗜好も見かけ自体もまともに見えない連中がうようよしているのだから。
主人公のカイル・マクラクランにしてもその端正な顔立ちと几帳面に思える眼差しが逆に奇妙な感じで彼が真面目にしてるほどおかしな雰囲気が出てきてしまうのだ。大体リンチ監督が自分の分身のように思って使っている事自体が変な奴の証明である。
(リンチ監督って一見二枚目風で相当に行っちゃてる感じで本人が一番面白そうである)

ガールフレンド(になりそうな)の女の子も謎のマゾ歌手もその他の登場人物もみなどこか変な人ばかりなのだ。
なかでも一番凄いのはデニス・ホッパー演じるフランクである。やおら酸素吸入器を自分にあてがい(何を吸ってんのかよくわかんないが)「ファック、ファック」を連発しながら罵り暴力を振るい、好きな女を強姦するのだ。この時、デニス・ホッパーはやっと麻薬や酒から更生したばかりだったそうでどこからどこまでが演技なのか、と危ぶんで観てしまう。

刑事の娘であるサンディ(ローラ・ダーン)とマゾ歌手ドロシー(イザベラ・ロッセリーニ)はいわば女性の光と影を」表しているのだが、DVDの表紙もカイル演じるジェフリーがドロシー抱いている場面なのだから、これまた不思議である。
ドロシーと言うのは「オズの魔法使い」のヒロインの名前だし、リンチ監督、さすが自分だけの世界を持っている人なのである。
こうやって作品を観ていくと、手を変え品を変えでやっているようでその実同じ好きな世界の繰り返しのようなのだが、この不気味さ、音楽、歌声、空気、そろいも揃った変てこな人物を見ずにはおられなくなるのだ。

「落ちていた耳」が奇妙な物語の扉になり、好奇心旺盛なジェフリーはサンディを案内役にして怖ろしい洞窟に入り込むことになる。
景色も部屋も普通の見慣れたものであるはずなのに、リンチ監督にかかると何故こんなに違う感覚になってしまうものなのか。

リンチ監督は画家志望でヨーロッパ・ザルツブルグへ絵を描きに行ったら清潔で綺麗な風景ばかりで何の絵も描けなかった。それですぐアメリカ・フィラデルフィアに戻ったらそこに自分の描きたいものがすべてあった、最悪だけど刺激的なのだ、という話。ふむ。
「エレファントマン」がイギリス舞台だったのでなんとなくヨーロッパ的な雰囲気の人なのかと思っていたら酷くアメリカ的な感覚のひとだったのか、アレはアメリカの恐怖なんだと今更気づいたのであった。

驚くべきシーンは色々あるのだが、ドロシーが全裸で外に立っていたのはびっくり。この場面もかなり反感をかったようで。
これもリンチ監督が幼い時、実際観た光景だったらしい。裸で外に立ってる人を見たら忘れられないことだろう。


監督:デヴィッド・リンチ 出演:カイル・マクラクラン、イザベラ・ロッセリーニ、デニス・ホッパー、ローラ・ダーン
1986年アメリカ



posted by フェイユイ at 22:51| Comment(0) | TrackBack(3) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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