映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2007年06月25日

「悪夢探偵」塚本晋也

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私は本当にそそっかしいのだがずっとこれを「悪漢探偵」というコメディな映画だと思っていてよくタイトル見たら「悪夢探偵」だった。
それでも「名探偵コナン」みたいなノリかドタバタ喜劇みたいなものとしつこく思っていた。他人の悪夢に入りこみ、化け物退治でたちまち解決、みたいな。
したら全く違ってた。でもこれは凄く面白かったね。

私はヒロイン役のhitomiさんの顔を知らなくて、大体日本の女優さんもよく知らないし、綺麗でスタイルよく魅力的な女優さんだけど誰なんだろう、と思ってたら歌手の方だった。さすがに名前は聞いたことがあるのに顔と結びつかなかったのだった。まあ、あんまり(ある程度の年齢で)こういう日本人はいないのかもしれないけどいいか。
他の評価など見ると彼女がよくないと言ってる人も多いようだが、上に書いたように私は凄くいいと思った。なにしろ彼女のアップと体を追い続けているようなカメラなんだけども、この感じは「六月の蛇」でもそうだったけど、それだけ迫っていっても見飽きないし、セクシーだけど硬派な感覚もあると感じたのだった。
そして安藤政信&松田龍平、なにしろついこの前「46億年の恋」でこの二人に撃ち抜かれたばかりなので一度に見るとどきどきする。何故二人一緒なのか。
安藤政信はその時と全然違って(といっても途中から少し似てくるが)可愛い青年を演じていた。こういうキャラもいいなと思ってたら早めに退出。もう少し観ていたかった。
勿論見所は松田龍平。前回「嫌いな顔なんだけど、段々好きになりそうだ」と書いてたら本当にまたまたよく見えてきた。
本作の龍平は申し分なく魅力的なのではないだろうか。悪夢探偵という他人の悪夢の中に出没できる能力を持つがそれは本人にとっては物凄く辛い体験なのであり他人の心の中を覗きみることで彼は背を向け「ああ、いやだ、いやだ」と苦渋に満ちた表情でつぶやくのだ(なんていや〜な決め台詞!)
どうやらパート2も作られているようでこんなダークヒーローのシリーズ化があるのだろうか。次第にコミカルな存在になっていくような気もするが(どうしても喜劇だと思いたいようである私)しかしそうだとしたら松田龍平のあのむっとした唇と三白眼とけだるげな感じはいかにもぴったりでどことなく変なユーモアもあって不思議なヒーローとして活躍できそうである。
そういえば彼のお父さんは「探偵物語」でひょうひょうとしたキャラクターで人気だったものだ。
しかし私はお父さんより龍平君の方が好きになりそうである。

もう一つ嬉しかったのは人々の醜い心の表現がこの前色々見たフランシス・ベイコン風だったことで、顔ぐるぐるで口がぎゅーっとなるのがベイコンはがーっと開くのと逆になっててちょっとおかしい。悪夢の様子もベイコン的な感じがしたのだがどうだろう。

塚本晋也監督はここでも重要な影の主人公という役でしかもケレン味たっぷり演じ切っている。
塚本作品を全部見たわけではないが、観るといつも江戸川乱歩なイメージとつながる。本作もまた例外ではないのだが、だからと言って真似してるといったようなレベルの話ではなくそういった同じ世界に住む者なのだろうと思い私自身も同じ世界の住人のつもりなのでこういう話はとても惹かれてしまうのだ。

今からもうパート2楽しみである。早く龍平探偵の「あーいやだいやだ」が聞きたくてしょうがない。

監督・製作・原作・脚本・撮影:塚本晋也(全部自分)出演:松田龍平 hitomi 安藤政信 大杉漣 原田芳雄 塚本晋也(勿論監督も出演)
2006年日本

posted by フェイユイ at 23:20| Comment(0) | TrackBack(1) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: し・しまった。なんの情報もなしに観てしまった。先入観が待ったく無いと何が起きるのか楽しい。『悪夢探偵』というくらいだから江戸川乱歩の作品イメージで、明智小五郎みたいなも...
Weblog: CARAMEL*PAPA
Tracked: 2007-12-20 04:08
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