映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2007年07月01日

「悪魔のいけにえ」もう一度

「悪魔のいけにえ」昨日書いたのでは少し足りなくてもう少し。と言ってもうまく書けるとは思えないが、そのくらい今回気になってしまったのである。

アメリカ映画でうんざりするほど観る大平原の中の道路を走っていく車。辺りには何もない。若い男女5人が乗る一台のワゴンの前に突如現れた痩せた若い男。見るからにうさんくさい少々常軌を逸した感がある。男は近くで屠殺所を営んでいるという。いきなりナイフを取り上げ自分の手を傷つけてしまった。慌てて男を放り出しほっとする5人。気になる導入部である。

5人の乗る車はガソリンが少なくなり給油のためにスタンドに寄る。だがガソリンは明日まで来ないという。
この辺、日本では考えられない。仕方なく5人は同乗者の一人が子供時代に住んでいたという家に立ち寄る。
ここまでで5人の若者というのが2組のカップルと一人のはずれ者だとわかる。

一組のカップルが水浴びをしようと言って外へ出る。しかしそこには小川はなく一軒の家を見つける。
声をかけるが返事がない。
中へ入っていく男。暗い廊下の先に口の開いた部屋があり男が入ろうとした途端、不気味なマスクをつけた大男が立ちはだかるのだ。
大男は入ってきた青年をハンマーで叩きつける。
一見普通の家の中での殺戮が始まった。

いかにも低予算で作った映画だと判る。特に今観ると何の特撮もなく無名の役者と3軒の家と2台の車だけ。
なのにこの身の毛がよだつ恐怖感、嫌悪感はなんだろう。映されているのもさほど特別なものはない。つまりは予算がないから特殊なものはないのだ。
なのに次々と殺される5人の若者の恐怖感が現実のものとして感じられる。2番目の犠牲者となる女性が生きたまま、鉄の鉤に背中をかけられてしまうシーンはその背中の部分が映されてもいないのにその無造作加減が怖い。
5人を手にかけるのは3人の兄弟なのだが、上の兄はガソリンスタンドを経営する普通の男のようであるのがまた気持ち悪いではないか。
ブッチャーであるのは末の弟だが、大男で力が強いのに上の二人の兄には頭が上がらないらしい。年功序列がきちんとしているのだから奇妙である。
最後残ったサリーと3人の兄弟と殆どミイラのようなでも生きてるらしい祖父が一つのテーブルについている様は狂気そのものである。
なぜか不思議の国のアリスを思い出さないでもない。
アリスが何を言っても3月ウサギと帽子屋たちには話が通じないのだ。
この場面は他の幾多のホラー映画のレベルを完全に超えているのではないだろうか。殺人という概念がここではまったく通用していない。
サリーは助けて欲しい一念で泣き叫びその姿は逆に狂っているかのようにすら見える。その様子を見ている3人兄弟は笑い楽しんでいる。なぜサリーがこのような目にあっているのか何の意味もない不条理な状況。
ただただ恐怖に震えながら観ていただけだった。

そのタイトル(日本語でも原語でも)とこの表紙絵を見たら誰でも胡散臭いと思ってしまうだろうが、その後のホラーを大きく変えた名作として名高い。チープな出だしでもまた勘違いされそうだが(私はしたのだが)確かにこれは絶対に最後まで観たほうがいい作品である。






ラベル:ホラー 家族
posted by フェイユイ at 20:06| Comment(2) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
すっごくそそります。
悪魔系ホラー(悪魔とキリストの戦いみたいなやつ)が大好きなのですが。。。
タイトルは悪魔でも
ちょっと違うみたいですね。

でも
すっごく観たい!!!
面白そうですね。
私のホラーの原点は
『死霊のはらわた』です。
Posted by せりーぬ、 at 2007年07月01日 21:43
こんばんは、せりーぬさん。

そうですねー。西洋の悪魔映画というとキリスト教の教義やら教会やらが出てくるものですが、これは全くそういうものではないですねー(笑)
原題は「The Texas Chain Saw Massacre」ですから全然違いますし。

私は今回初めて観たのですが、「これは早く観とくべきだった」と思いました。
ただ、昔観て同じように感動したかどうかはわかりませんが(笑)
子供の時は判らなかったかも、と思います^^;ただショックは受けたでしょうが。

「死霊のはらわた」っていうのも凄いタイトルですねー(笑)
Posted by フェイユイ at 2007年07月01日 23:07
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