映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2007年07月04日

「オリエント急行殺人事件」シドニー・ルメット

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こういうのを観ると「これこそ映画の楽しみ、ミステリーの醍醐味」とつい言いたくなってしまうのだ。

今は殺人現場がやたらと生々しいのが売りで演出も設定もやりすぎの感があるが、淡々とした抑えた演出でしかも舞台劇を観ているかのような緊張感がある。
その理由の一つは豪華な出演陣で、ポワロ演じるアルバート・フィニーの他のポワロを考えられないほどのはまりぶり、やや行き過ぎるほどの宗教家を演じるイングリッド・バーグマン(美女の代名詞だった人がこの地味な女性役)なぜかここでもマザコン的設定のアンソニー・パーキンス。男らしく素敵なショーン・コネリー、コネリーが愛する女性にバネッサ・レッドグレイブ、迫力ある美女ローレン・バコール、ポワロも見惚れる若妻伯爵夫人にジャクリーン・ビセット、その夫はマイケル・ヨーク、実直な執事にジョン・ギールグッドとくらくらしそうな配役である。バーグマンとパーキンスは笑わせようというキャスティングなのかと考えてしまうがホントにおかしい。

無論私は原作も含め何回も観てるのだが、やはり面白い。ある韓国映画(大変におもしろかった)がこれをベースにしてるのだが、クリスティも実際に起きたリンドバーグ事件とシェークスピアのジュリアス・シーザー暗殺事件を元にしているというのも興味深い。

今更言う事もないがアガサ・クリスティのミステリーの面白さというのは他に類を見ないものである。純粋に謎解きを楽しむという醍醐味。
今後もクリスティをヒントに数多くの作品が生まれてくる事は必至だろう。
本作は単にトリックの珍しさだけでなくラストのポワロの英断というものも忘れられない。が、これはクリスティが大好きなシャーロック・ホームズから継承されたものだろうと思う。素晴らしいラストである。

監督:シドニー・ルメット 出演:アルバート・フィニー ジャクリーン・ビセット アンソニー・パーキンス マイケル・ヨーク ローレン・バコール イングリッド・バーグマン ショーン・コネリー ジョン・ギールグッド
1974年イギリス



posted by フェイユイ at 23:39| Comment(5) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今晩は〜^^お懐かし!作品でつい嬉しくなり出てきちゃいました。この映画は何度かテレビで観ました。そうシドニー・ルメット監督だったのですね!『12人の怒れる男』の。今、ウィキペディアでルメットで引いたらなんと“子役時代のルメットくん”が大きく出てきてびっくり〜・役者だったのですね!(知らなかった;)可愛いです。
脱線、すいません;とにかく私はイングリット゛・バーグマンの旨さに唸りました。この、一番地味な役でアカデミー助演女優取っちゃうんだから、彼女にとっては正に演技派を証明できた作品でしょう。
それにしても本当にクラクラの☆豪華な配役陣ですね。全員が主役張れる人達ばかり!凄すぎるー^^;
・・ジョン・ギーグレット、なんて“立派な”お顔なんでしょう◎と感動した覚えが。そしてマイケル・ヨーク、『キャバレー』での青年、当時は子供だったワタシ(笑)、彼のセクシーさに気付きもしなかったです、今だから解る彼の魅力。。
Posted by フラン at 2007年07月05日 00:24
ああ、一瞬"シベ超"かと思ってしまった
自分が恥ずかしい(;つД`)

それにしてもフェイユイさん、映画にお詳しいですねー!
Posted by clearbluejellyfish at 2007年07月05日 09:52
>フランさん
ミステリーが大好きなんですよー「幻の女」の話もしましたね!
そうでした!何も触れなかったけどシドニー・ルメットいい映画作ってますね「狼たちの午後」も。子供時代の写真見ました。確かにかわいー。しかし、俳優業に飽きたらなくなったら演出家ってんで「十二人の怒れる男」を作るなんてどんな才能ですか。
バーグマンはこれでも助演賞とってたんですねー。素晴らしかったです。
マイケル・ヨーク「キャバレー」出てるんですね。クー、観ようと思っててまだ見てないんですー(いつからだ^^;)絶対今度観ます!!!

> clearbluejellyfish さん
年取ってるだけです^^;
昔はテレビで洋画をいい時間帯に週に何回もやってて嫌でも観ちゃいますからね。そのうちのひとつがこれ。
ですから「シベ超」は未見です^^;
確かどこかでやってたとは思うんですが最近はテレビを見ないんですよねー。ニュースとバラエティくらいしか。
今はDVDでゆっくり映画観るのが一番ですねー。
Posted by フェイユイ at 2007年07月05日 11:29
ジョン氏のお名前、間違えてました(笑)ギールグッド☆ですね、しかし変わったお名前^^;『シャイン』で彼が先生役で出て来た時は嬉しかったなあ〜◎
くどいようですが本当にスゴイ配役。思い出すと例えばバコールのシーンはバコールの、パーキンスのシーンはパーキンスの、映画になっていたような・・つまりポアロが一人一人を質問して回るのだから、各乗客(容疑者)がそれぞれの人生の主人公なわけですものね^^構成的にはまさにオールスターが可能な訳だ!・・なんて今頃気付いてます。
『キャバレー』をフェイユイさんご覧になっていないとは!勿体無いです〜フェイユイさんほどのお人が!!^^;ボブ・フォッシー(監督)のあのけだるさは何なんでしょう(笑)というほど個性強いです。マイケル・ヨークがさっぱりしてて中和してますです(笑)音楽も脚本もキャメラもテーマも、何もかも、素晴らしい。私のミュージカル映画の中の白眉の一つです!・・また興奮しちゃったスイマセン^^;古い映画達には思い入れ強いもんで。。
Posted by フラン at 2007年07月05日 12:37
ギールグッド「シャイン」出てましたね!とにかくこのお方はイギリス映画の格調を演出するのになくてはならない方ですね。執事は勿論お堅い教授などはまり役。イギリス映画ではまたあなたか、というほどお目にかかりましたねー。
それぞれの役者がまさにぴったりの配役なのですが、それ以上の演技をして魅せてくれたと思います。

ううっ、責めないで(笑)本当に「キャバレー」どうして観てないんでしょー?
しかもずっと観たいと思いながら。でも今回は絶対観るつもりですし、記事を書いたときはまたよろしく!!
Posted by フェイユイ at 2007年07月05日 17:46
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